個人向け国債には元本割れがない! 気になる仕組みについて解説

個人向け国債には元本割れがない! 気になる仕組みについて解説

「低金利時代」が続く現在の日本。銀行の預貯金だけでは、資産運用として十分な効果を期待できなくなりました。とはいえ、株や投資信託などの金融商品には元本割れのリスクがあるので、こういった投資による資産運用に対して抵抗を感じる人は多いのではないでしょうか。 

そんな人におすすめなのが「個人向け国債」です。なぜなら、個人向け国債は日本国政府により元本が保証されていて、最低保証金利もあるからです。 

この記事では、個人向け国債の仕組みと、投資する時の注意点について解説します。 

国債とは国が発行している債券であり、日本では個人投資家を対象とした「個人向け国債」を2003年から発行しています。それ以前は、国債そのものはあったものの、個人投資家が購入できるのは、「利付国債」のみで、それ以外は法人が所有していました。 

投資家は国債を「購入」することにより、お金を国に貸し付けます。その対価として、国は投資家に年2回の利子を払い、満期になれば元本を返還するというのが、個人向け国債の基本的な仕組みとなります。 

欧米では日本より早く個人向けの国債が発行されており、例えばアメリカでは1935年発行のSavings Bonds(貯蓄債券)が、個人向け国債の始まりだといわれています。日本でも金融商品として国債を買ってもらえるよう、新しい仕組みとして元本保証の個人向け国債が発行されたのです

では、次に個人向け国債の特徴を解説していきます。個人向け国債の特徴は主に以下の3つです。 

1万円から購入可能

個人向け国債は、最低1万円から購入が可能です。いつでも買えるわけではありませんが、毎月発行されているので年間最大12回買うことができます。ただ、購入するためには、毎回の募集期間内に申し込みすることが必要です。 

元本が保証されている

個人向け国債は、元本が国によって保証されています。また、発行後1年経過すれば、額面1万円単位での中途換金を行うことができます。 

年2回利子が受け取れる

個人向け国債の購入とはお金を国に貸し付ける行為であり、その対価として投資家は半年ごとに利子を受け取ることができます。 

利子を受け取るタイミングは、原則として「毎年の発行月及び、発行月の半年後の15日」です。ただし、後ほど紹介する「変動金利型10年」については、利払い日が「毎年の発行月及び、発行月の半年後の10日」となります。 

個人向け国債の利子は、日本の経済状況によって変動します。しかし、金利の下限が年率0.05%に設定されているので、元本だけでなく、最低限の利子が保証されるというメリットがあるのです。 

個人向け国債の種類

個人向け国債には3つの種類があります。それぞれの違いは、「満期時期」と「利率が変動するかしないか」の組み合わせによって異なっています。購入の際はそれぞれの内容についてよく確認しておきましょう。 

変動金利型10年

  • 満期    10年
  • 金利タイプ 変動金利
  • 金利設定方法 基準金利✕0.66%
  • 下限金利   年率0.05% 

※基準金利は10年国債の入札における平均利回り 

変動金利型10年の特徴は、半年ごとに利率が変わる「変動金利」を採用していることです。また、実勢金利(市場金利)によって受取利子が増えることがあります。 

2019年10月募集の第115回債の基準金利は「-0.16%」だったので、利率は最低利率の0.05%が適用されています。 

固定金利型5年

  • 満期     5年
  • 金利タイプ  固定金利
  • 金利設定方法 基準金利-0.05%
  • 下限金利   年率0.05% 

※基準金利は、市場実勢利回りを基に計算した期間5年の想定利回り 

固定金利5年の特徴は、発行時の利率が5年満期まで変わらない固定金利を採用していることです。たとえば、発行時の利率が1.0%(税引前)であれば、5年間1.0%の利子がもらえます。また、固定金利なので、発行時点で最終的な投資結果がわかります。実勢金利に影響されないので、計画的な資産運用が可能です。 

2019年10月募集の第103回債の基準金利は「-0.30%」だったので、利率は最低利率の0.05%が適用されています。 

固定金利型3年

  • 満期     3年
  • 金利タイプ  固定金利
  • 金利設定方法 基準金利-0.03%
  • 下限金利   年率0.05% 

※基準金利は、市場実勢利回りを基に計算した、期間3年の固定利付国債の想定利回り。

固定金利型3年の特徴は、発行時の利率が3年満期まで変わらない固定金利を採用していることです。固定金利型5年と同じように、発行された時点で最終的な投資結果を知ることができます。2019年10月募集の第113回債の基準金利は「-0.31%」だったので、利率は最低利率の0.05%が適用されています。

また固定金利型5年に比べ、3年間という比較的短い期間なので、気軽に資産運用できる点がメリットです
5年と3年どちらを選ぶかはライフプランを考えて選びましょう。 

以下に個人向け国債の具体的な買い方について紹介していきます。3つのステップを確認しておきましょう。 

近くの金融機関を確認

個人向け国債を買うには、取扱金融機関(銀行や証券会社など)に口座を開設し、申込み手続きが必要になります。
※取扱金融機関については、財務省のサイトで確認できます。 

ネット証券でも個人向け国債が購入できます。店舗型の金融機関を訪れるのが億劫だと感じる人は、スマホやパソコンで気軽に購入できるネット証券がおすすめです。 

口座開設の準備

口座開設には、本人確認証(運転免許証、健康保険証など)とマイナンバー、印鑑が必要です。そのほか必要なものは金融機関ごとに異なるので、詳細については直接金融機関に問い合わせてください。 

個人向け国債の申し込み

ネット証券の画面の指示に従い、必要情報を記入します。口座開設をして取引できるようになったら、個人向け国債の申し込みをします。 

口座開設の詳細な流れは証券会社ごとに違うので、事前に確認をしておきましょう。 

注意点

中途換金の制限

個人向け国債は、購入後の1年間は原則として換金はできません。ただし、名義人が死亡したり大規模な災害が起こったりした時は換金できる場合もあります。 

発行から1年経過すればいつでも中途換金可能です。購入金額の全部、もしくは一部が中途換金できます。
ただし、中途解約した場合は「中途換金調整額が引かれる」というペナルティが発生してしまうので、注意しておきましょう。 

中途換金調整額の計算式は、以下の通りです。

  • 直前2回分の利子(税引前)相当額×0.79685 

中途換金の場合の換金金額は、以下のようになります。

  • 換金金額=額面金額(元本)+経過利子相当額-中途換金調整額 

ただ、ペナルティといっても、直近2回分の利益の一部を返すだけなので、元本割れの心配はありません。また、中途換金調整額以外の手数料もかかりません。
※中途換金した場合の受取金額は、財務省のサイトで確認できます。 

税金がかかる

個人向け国債で受け取る利子には税金がかかります。税率は20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。

たとえば、利率が0.05%の場合、税引き後の利率は、0.05%-(0.05%×0.20315)=0.0398%になります。

利子については受取時に源泉徴収されるので、確定申告の必要はありません。また、遺族年金を受け取ることができる家族や、身体障害者手帳の交付などを受けている人は、「障害者などの非課税貯蓄制度(いわゆるマル優、特別マル優)」の適用を受けることができ、利子を非課税にできます。 

今回は、個人向け国債の仕組みと種類について紹介しました。
個人向け国債は、元本保証で利率も0.05%の下限が決められています。銀行の定期預金よりも高い利回りが期待でき、毎月募集が行われているので、気軽に始めやすい投資だといえるでしょう。 

個人向け国債の種類は、「変動金利型10年」「固定金利型5年」「固定金利型3年」の3種類です。
現在はマイナス金利が続いているので、どの種類も下限の0.05%ですが、金利上昇局面になると変動金利型10年は金利が上がっていく可能性もあります。 

購入1年後から中途換金できますが、中途換金調整額として、直近2回分の利子相当額の0.79685を差し引いた金額がかかるので注意しましょう。

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