ソーシャルレンディングとは? 定期預金や国債より高金利な新しい金融商品の特徴とリスクを知る

ソーシャルレンディングとは? 定期預金や国債より高金利な新しい金融商品の特徴とリスクを知る

文・監修:大間 武(フィナンシャル・プランナー) 

インターネットや金融の高度化に伴って仮想通貨や電子マネー、キャッシュレス決済など、日常のお金の流れが大きく変化してきました。そのような中、企業や個人が資金の調達を行う方法も変化し、個人と個人、個人と企業がインターネットを介して資金の融通を行う仕組みも登場してきました。その代表的なものの1つが「ソーシャルレンディング」です。

ここでは、ソーシャルレンディングの基本的な仕組みや、投資する際のお金の流れ、ソーシャルレンディングに参加する上での注意点などを見ていきたいと思います。

ソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)は、お金を貸したい人とお金を借りたい人を結ぶ仕組みです。両者の間に入るのがソーシャルレンディングのサービスを運営する会社です。 

ソーシャルレンディングの基本的な仕組み、お金の流れは次のようになっています。

資金の拠出者である投資家がソーシャルレンディング運営業者の設立した匿名組合(ファンド)に資金を拠出し、その資金を必要とする人や企業(資金調達者)に貸し付けます。資金の提供を受けた人や企業は資金提供期間中の利息の支払い(配当)を行い、契約満了時には貸付を受けた元金を返済する(分配)という仕組みです。

ソーシャルレンディングの仕組み

借りたい人や企業にとっては、銀行などの金融機関からの融資とは別の資金調達の選択肢が広がることがメリットとなります。 

矢野経済研究所によると、ソーシャルレンディングを含めたクラウドファンディング全体の日本国内の市場規模としては2016年度740億円規模、2017年度1,700億円規模、2018年度は2,000億円規模と年々その規模が拡大してきており、その約90%がソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)となっています【*1】。

【*1】出典:株式会社 矢野経済研究所「国内クラウドファンディング市場の調査(2018年)」(2018年12月3日発表) 

ソーシャルレンディングサービス

ソーシャルレンディングのサービスには、大手からスタートアップまで様々な企業が参入しており、現在20社を超える規模(2019年12月時点)となっています。

ここでは代表的な3社を見てみたいと思います。 

maneoマーケット株式会社

ソーシャルレンディングの老舗で2007年設立、資本構成としてはGMOフィナンシャルホールディングス株式会社をはじめ、大手金融機関の設立したファンドからの出資を受けています。ソーシャルレンディング等の実績としては、投資家登録者数87,000名超、成立ローン総額は1,600億円を超えています。(2019年12月時点)

SBIソーシャルレンディング株式会社

社名の通りSBIグループの企業で2008年設立、資本構成はSBIグループで100%出資されています。ソーシャルレンディング等の実績としては、投資家登録者数42,000名超、成立ローン総額は1,100億円を超えています。(2019年12月時点) 

OwnersBook ロードスターキャピタル株式会社

不動産に特化したソーシャルレンディング企業で2012年設立、2017年に東証マザーズに上場している企業です。投資家登録者数は22,000名超、累計投資実績は148億円超(OwnersBookのみ)となっています。(2019年12月時点) 

メリット

少額からの投資が可能

ソーシャルレンディング運営企業が設定するファンドはほとんどの場合1万円からの投資が可能です。 

短期間の運用期間

運用期間が数か月から2、3年以内が多くなっており、短期間での運用が可能です。 

利益の分配(利息の支払い)は毎月から

利益の分配は毎月分配のものから3ヶ月に1回、年に1回、償還時一括のタイプなど投資対象、運営方針などによって様々です。投資家のニーズや好みに合わせて選択できます。 

定期預金や個人向け国債より高い想定利回り

想定利回り(運営手数料等控除後、税金等控除前)は3%~10%程度(利回りは保証されていません)となっており、定期預金や個人向け国債の利率より高くなっています。

インベスティング 

投資資金(元本)は保証されていない

ソーシャルレンディング運営企業のファンドはそれぞれ投資目的、資金使用目的ごとに設定・募集が行われますが、定期預金や個人向け国債とは違って元本は保証されておらず、運用状況によっては元本割れになる可能性もあります。 

ソーシャルレンディング運営企業の倒産リスク

ファンドの投資先ではなく、ソーシャルレンディング運営企業そのものが倒産・破産の状態になった場合にはファンドに投資した資金や運営収益が破産管財人の管理対象となるため、投資した資金が全額償還されない場合があります。  

運用期間内での換金はできない

ソーシャルレンディング運営企業が設定するファンドは投資対象が具体的に絞られていることや、投資期間が短期間であることなどから、投資後の途中換金はできません。 

運用期間途中での全額償還もある

ファンドの投資先の都合で期限前に貸付金の全額償還を行うことがあります。この場合、分配も同時に行われるためファンドそのものの運用が満期前に終了することがあります。 

ソーシャルレンディングの運営手数料

毎年運営費用が必要となるファンドがあります。申込を検討される際は規約等で確認するようにしてください。 

ソーシャルレンディングの投資収益は20.42%の所得税を源泉徴収後、各投資家に支払われます。また、ソーシャルレンディングの投資収益は所得税法上「雑所得」に分類され、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以下の場合は原則確定申告の必要はありません。 

マイクロクレジット

ソーシャルレンディングを活用して資金を運用する際にはまず以下の3点について注目し、事前にチェック・確認しましょう。 

1.ソーシャルレンディング運営企業の運営状態

ソーシャルレンディング運営企業のWebやソーシャルレンディングについて記載された情報記事などを参考にソーシャルレンディング運営企業の運営状態やファンドの運営状態(ファンドの償還実績や延滞情報、債権のデフォルト状態、様々な情報開示など)を投資前や投資後定期的に確認しましょう。 

2.ソーシャルレンディング運営企業のファンドについて

ファンドが自分の投資したい内容かどうか、投資内容が理解できるものかどうかを確認しましょう。利回り等の条件が良いだけでファンドを選択することはおすすめしません。 

3.ソーシャルレンディングへ投資するお金は余裕資金で

はじめてソーシャルレンディングに参加し、投資を行うことを検討されている方は最初の投資金額は最低参加できる額からはじめてみましょう。また、投資に慣れている方でも1つのファンドに投資する金額やソーシャルレンディング全体に投資する金額は、この投資が元本保証でないことや、元本割れなどの際に自分の資産全体に与える影響も考慮して、投資金額をあらかじめ決めておきましょう。 

超低金利が長期間続いていることの影響もあり、有利な運用先を探している投資家が融資に関わる状況が生まれてきました。そのためのインフラがソーシャルレンディングの仕組みであると言うこともできるでしょう。

株、投資信託、債券、REIT、不動産投資など、投資の選択肢が広がっています。「人生100年」がリアリティを帯び、誰もがある程度は「投資家」であることを余儀なくされる時代に、自分らしい資産運用スタイルの選択肢として、ソーシャルレンディングもまた、検討してみる価値があるのではないでしょうか。

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