『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』ブックレビュー

『サクッと起業してサクッと売却する』。まず、このタイトルを目にして、あなたはどう感じるでしょう。
「お金を儲ける」という行為に対して品がないと考える人は、このタイトルが挑発的に映るのではないでしょうか。著者である正田氏は、本著の中で「会社を売るのはトマトを売るのと同じ」としています。

そもそも会社を売るために、まずは会社を持たなければなりません。そのための「起業」は、はたして簡単にできるものなのでしょうか。この著書の中に、そのヒントがあります。
『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』
著者:正田 圭 出版社:CCCメディアハウス 単行本:268P

【どんな本?】
15歳の頃から、連続的に起業することを生業とする「シリアルアントレプレナー(連続起業家)」として活動してきたという正田氏。会社を立ち上げて、売却して、また会社をつくって売却する――などという行為は、一般人では無理だと考える人も多いと思います。本著の中で正田氏は、あえてそれを勧める目的と真意を語っています。

正田圭:TIGALA株式会社代表取締役社長。15歳で起業。インターネット事業を売却後、M&Aサービスを展開。事業再生の計画策定や企業価値評価業務に従事。2011年にTIGALA株式会社を設立し代表取締役に就任。テクノロジーを用いてストラクチャードファイナンスや企業グループ内再編等の投資銀行サービスを提供することを目的とする。2017年12月より、スタートアップメディア「pedia」を運営。(「BOOK著者紹介情報」より抜粋)

スタートアップ

4P
「会社を売る」という行為は、あなたの人生を想像以上に豊かにすることにつながっていく。あなたの人生を豊かにするのは「たかがお金」なのだ。

・著者である正田氏は、まず冒頭で、人生を豊かにするのは「お金」と言い切っています。別記事で書評した『20億人の未来銀行 ニッポンの起業家、電気のないアフリカの村で「電子マネー経済圏」を作る』では、著者の合田真氏が「世の中の不条理をなくしたい」ということをライフミッションとして仕事を捉えていたことを考えると、正田氏の見解はそれとは対極に位置する考え方だと感じます。

豊かな人生

9P
起業するのに、崇高な理念や、世界を変革するような志は、とりあえず必要ない~

・「人生を豊かにするのはお金」と言い切る正田氏も、決して仕事に対するロマンを否定しているわけではありません。あくまでもビギナー起業家にそのレベルを求めるのは順番が違うという主張のようです。少なくとも、自分の豊かさだけを追求する起業家ばかりを増やそうというわけではありません。

世界を変革する

90P
人生は「変える」のではない、「買える」のだ

・正田氏は、会社を売却することで、時間とお金の両方が手に入り人生の選択肢が増えるとしています。お金はあくまで人間の作ったルールでしかありませんが、普遍的な「時間」をお金で買えるとすれば、「お金を儲ける」ということが決して品のない行為ではないと思えます。シンプルかつ強い主張です。

人生とお金

170P
「起業が楽しい」とは、「楽ちん」という意味ではなく、「エキサイティング」という意味だ。

・本著のタイトルには『サクッと起業してサクッと売却する』とありますが、少なくとも「楽して儲けて楽して生きよう」という内容の本ではありません。タイトルの表現こそ見方によっては挑発的ではありますが、人生を楽しむためのひとつの視点を提示してくれます。

お金を求める

正田氏は本著の中で、起業するということについて、難しく考えることをやめ、経験を積むことの重要さを説いています。同時に、崇高な理念は後からついてくるとも述べています。お金は、あくまで時間を有効に活用し人生を楽しむためのものだと合理的に割り切る考え方は、周りに左右されない強さがあります。 もし、あなたが雇われる側を抜けて、新しい人生の選択肢として「起業」をしたいと考えているなら、1つの参考として本著を手に取ってみてはいかがでしょうか。

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『老後破産を回避せよ! 現役の今こそ知っておきたい定年後の働き方』

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