将来設計は早めに取り組むのが重要! 老後のために今すぐ考えよう

老後のために、将来設計をしておくことはとても大切です。将来設計とは、「子どもを何人持つか」「30代での年収や支出をどのくらいにするか」「65歳までにいくら貯蓄をするか」という計画を立てることです。将来設計を怠ると、退職して収入がなくなった老後に、予想していた以上に生活費がかかってしまう可能性があります。このまま何も考えずに生活していくと「老後破産(老後に生活費などを借金し返済ができなくなる状態)」になりかねません。そうならないために、将来設計の重要性について解説します。

「老後貧乏」「老後破産」が現実のものに

今まで、将来設計をそれほど我が身の問題として考える人が少なかったのは、年金制度にしっかりとバックアップされていたからです。しかし、今後、年金支給額が減ることが予想されます。支給開始年齢もさらに遅くなるかもしれません。また、かつては子が親の面倒をみるという風潮もありましたが、今の子ども世代にはそんな余裕はありません。老後の生活は自力で備えなければならない時代になってきているといえるでしょう。

改めて年金の種類を確認

老後の資金となりえる年金には、いくつかの種類があります。改めて確認してみましょう。

  • 公的年金…日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金」、サラリーマンや公務員が加入する「厚生年金」の2種類から成り立っている年金です。国民年金は、基礎年金とも呼ばれ、老後に受け取る「老齢年金」のほか、「障害年金」「遺族年金」があります。
  • 私的年金…企業や個人が公的年金の上乗せとして、任意に加入できる年金です。企業が福利厚生の一環として提供する「企業型確定拠出年金」「厚生年金基金 」「確定給付企業年金」や、個人が任意で加入する「個人型確定拠出年金(iDeco)」「国民年金基金」などがあります。

老後にどれくらいの年金をもらうことができるのか、見てみましょう。

国民年金だけでは生活費の半分しかカバーできない

「家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)」(総務省統計局)によると、「2人以上の世帯のうち高齢無職世帯」の1カ月の「消費支出」は、60〜64歳で290,034円、65〜69歳で264,661円、70〜74歳で243,416円、75歳以上で215,151円でした。「満足できる生活をするのに足りているのか」という疑問は残るものの、退職後に必要な生活費の一応の目安といったところでしょう。

一方、「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」(厚生労働省)によると、厚生年金の月額の平均支給額は、男性が166,863円、女性が102,708円。また、国民年金(老齢基礎年金)の平均支給額は55,464円でした。

先の数字を当てはめると、夫婦とも給料生活者だった世帯は、2人分を合わせると約27万円になります。夫が会社員で妻が専業主婦の場合は約22万円。夫が個人事業主で妻も個人事業主か専業主婦ならば約11万円です。国民年金だけが頼りの夫婦の場合、実際に必要な生活費の半分かそれ以下にしかなりません。

国民年金ではなく厚生年金を受ける人も、安心していられません。すでに支給開始年齢は60歳から65歳へと段階的に引き上げられているところです。また、年金は年金加入者の増減や平均寿命の変化などに合わせて、年金額を変化させる「マクロ経済スライド」制度が適用されています。これにより2043年には厚生年金の額は今よりも2割、国民年金の額は3割削減する方針がすでに決まっています。

また、健康保険の自己負担額も上昇が続いています。つまり、「もらえるお金は減って、出ていくお金は増える」という状況が年々進んでいます。

「老後破産」とは

「老後破産」という高齢者の貧困を表す言葉を耳にするようになりました。これは、年金の支給開始年齢の引き上げや予想外のリストラなどにより、生活費を賄えなくなった高齢者のことをさします。このような高齢者は、十分な収入を得ることが難しいため、生活費を工面するために借金をした場合は返済することが困難です。

今までは、高齢者は年金のおかげで悠々自適の生活を送ることができました。しかし、現在では60代や70代と思われる高齢者が働くケースが増えています。スーパーのレジ打ち、駐車場の警備員など、従来はアルバイトの学生がやっていたような仕事に就く高齢者も目にするようになりました。

老後破産は、だれにでも起こる可能性があります。この老後破産を防ぐための手段の1つが、将来設計です。

「老後破産」を防ぐために必要な将来設計

人生にはライフステージが大きく変化するポイントがいくつかあります。代表的なものは以下の通りです。

  • 結婚
  • 住宅の購入
  • 子供の教育費
  • 定年後の生活

具体的な金額を考えてみましょう。

結婚する場合は、結婚式や家具の購入などで一時的に数百万円のお金が必要となります。

住宅を購入するのであれば、数千万円のローンを組んで返済する場合が多いでしょう。持ち家となると、その後のメンテナンス資金や維持に伴う税金なども考えておかなければなりません。

子供の教育費については進学計画によって異なります。公立の場合は大学まで通ったとしても1,000万円くらいですが、私立の場合は2,500万円程度かかることがあります。さらに一人暮らしとなるとそのお金がプラスされることになります。親としては子供が願うことは何とかして叶えたいと思うものです。子供が「大学に進学したい」と言ってきても「お金がないから我慢してね」とはとても言えないでしょう。従って、子供の教育費に関しては、余裕をもって資金を準備しておく必要があります。

定年後の収入源は、主に年金になるでしょう。厚生労働省が発表したデータによると、平成30年度の年金支給額の平均は夫婦で約22万円。余裕をもった生活を送るのであれば、事前に貯蓄をしたり、新たな仕事をしたりする必要があります。

「30代で家を買う」「50代の頃に子供が大学に通う」という見通しを立て、準備しておくことが重要です。

将来に向けてお金を貯めるには

お金を貯める一番の方法は毎月の貯蓄額を決めることです。そして、貯蓄額を決めたのであれば絶対使えないような場所においておくことをおすすめします。例えば、預金をするならば簡単には引き出せないような通帳だけの口座を作り、そこに毎月決まった額を入金するといった方法があります。キャッシュカードがあるとついATMで気軽にお金をおろして使ってしまうこともあるでしょう。よって、キャッシュカードはあえて作らず、引き出すときは平日銀行の窓口が空いているときだけという状況を作ってしまえば、自然と貯まりやすくなります。

しかし、現在は預金の金利が低く設定されているため、預金の利息だけではほとんどお金が増えることはありません。元金が減らないことは貯蓄のメリットですが、これからは多少のリスクを背負ってでも運用する時代になってきています。毎月少しずつでも貯めるのであれば、財形貯蓄なども活用するとよいでしょう。財形貯蓄がある程度貯まった段階で、運用していくといった方法もあります。

困ったときにはプロに相談を

悩み事に関しては「餅は餅屋」と言われるようにプロに相談するのも一つの手段です。特にFP(ファイナンシャル・プランナー)の資格を持っている方であれば、「ライフプラン・税金・金融・保険・不動産・相続」など幅広い分野の知識を持っているので、さまざまな視点からのアドバイスをもらえます。何より中立的な立場での意見なため、参考となるでしょう。

まずは自分が何に対して不安を感じているのかを見つけ出し、それに対して解決策を深堀していくというやり方がおすすめです。そのうえで、さらに深く知りたいというのであれば、「税金であれば税理士」「保険であれば保険の代理店」「不動産投資であれば不動産会社」など、その道のプロに最終的なアドバイスを受けるのが最良の方法です。

相談というと、躊躇してしまうという方もいらっしゃるかもしれません。まずは、悩むより相談して一歩ずつ前進していきましょう。

まとめ

「支出を抑え・収入を増やす」ことは、言い換えると「家庭内キャッシュフローの見直し」です。この家庭内キャッシュフローの見直し」が、将来設計のポイントと言えるでしょう。先に挙げた例はどれも手を付けにくいことばかりかもしれません。しかし、「老後破産」を避けるためにも、できるだけ早めに将来設計を行いましょう。将来設計を考えることは、今の生活の無駄な部分を見つけ、身の丈に合った生活をすることにもつながります。

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