話題の「民泊投資」これから始めるなら絶対知っておくべき3つの基本

外国人観光客の急増や空室の増加などで、近年「民泊投資」が注目されるようになりました。従来の不動産投資と比べて、民泊投資にはどのような特徴があるのでしょうか? 今回は、民泊投資を検討するならしっかりと押さえておきたい、民泊投資の種類やメリット・デメリット、関連する法律の3つの基本について解説します。

民泊投資の種類

民泊とは、一般の住宅を宿泊施設として貸し出すことで収益を狙う投資のひとつです。投資の方法の違いから、大きく分けて次の3種類があります。それぞれの特徴を詳しく紹介します。

オーナー型

すでに不動産を持っていたり新たに購入したりしてオーナーとなり、不動産を民泊用としてホスト(民泊の経営者)に貸し出し、賃料収入(インカムゲイン)や売却した場合の売却利益(キャピタルゲイン)を狙う方法です。所有するマンションなどを賃貸用として貸し出す、従来の不動産投資に最も近い投資のかたちといえます。

民泊の稼働率にかかわらず、ホストから賃料収入が定期的に入ってきますので、比較的ローリスクとされています。一方で、仮に民泊の人気物件となり、ホストが民泊の宿泊料を上げたとしても、最初に契約した賃料収入以外の収入は見込めません。賃料収入においては、最初に設定した以上の大きなリターンは望めないのが、オーナー型の特徴です。

ホスト型

上述のホストがこれにあたります。不動産を所有するオーナーからその不動産を借り、民泊用として貸し出して宿泊料収入を得る投資方法です。

不動産の所有や購入の必要がなく、まとまった資金がなくても始められるのが特徴です。「立地条件が良い」「中が広くてきれい」など、不動産自体の魅力以外に、イベントを企画したりおいしい食事を提供したりするなどの経営努力によって、多くの宿泊料収入を得るホストもいます。ただし、稼働が少なくてもオーナーへの家賃支払いは必ず発生するため、場合によっては赤字になることもあります。

清掃や管理などを業者に頼まず自ら行うと、コスト削減になります。さらに、日本全国や世界各国からの観光客とのコミュニケーションを楽しめるといった、収入以外の魅力もあります。

オーナー&ホスト型

すでに不動産を持っていたり新たに購入したりしてオーナーとなり、自らホストとして民泊を経営して宿泊料収入を得るほか、売却した場合の売却利益を狙う方法です。まだ不動産を所有していなければ新たに購入する必要があり、住宅ローンを利用する場合は頭金や諸費用がかかります。中古物件ならリフォームやリノベーション費用、その他の費用がかかるため、ある程度の資金が必要です。

ホスト型のようにオーナーへの家賃の支払いがなく、オーナー型と違って人気が出れば当初より高い宿泊料にすることもできます。

なお、運営や清掃、管理などすべてを業者に頼む方法、一部を頼む方法、すべてを自ら行う方法がありますが、可能な限り自分で行うとそれだけコストを抑えることができます。コスト面のメリットだけでなく、自分の工夫次第で宿泊客の集客につながることに醍醐味を感じる人も多いでしょう。また、ホスト型と同様、多くの観光客とのコミュニケーションを楽しめるといった魅力もあります。

民泊投資のメリット・デメリット

民泊投資の種類を確認したところで、次に民泊投資を行うメリットと、デメリットを紹介します。

メリット1. 空家や空室の有効活用

例えば、相続したものの住むことができずに放置している空家や空室などを有効活用することができます。

これまで固定資産税等のコストだけがかかっていた空家や空室を利用して収入を得ることができるのは、大きなメリットです。例えば、観光地のように宿泊者が多い地域の物件であれば、「民泊用物件」として貸し出すことや、買い手が見つかれば売却することもできるかもしれません。

メリット2. 異文化交流ができる

ホスト型やオーナー&ホスト型の場合、民泊用物件でおもてなしをする場合は、日本全国や外国からの宿泊客とのコミュニケーションを楽しめるといったメリットがあります。特に、外国からの宿泊客との触れ合いは、さまざまな国の文化や考え方の違いを知り、お互いを理解し合えるいい機会となるでしょう。

メリット3. 低コストで始められる

同じ宿泊施設でも、ホテルや旅館、民宿などが宿泊施設として認められるためには、設備や部屋数、面積など、それぞれ一定の基準があります。民泊はあくまでも一般の住宅を宿泊施設として提供するものなので、ホテルや旅館などと比べると、規制は厳しくないといえるでしょう。したがって設備投資などのコストをそれほどかけずに、気軽にスタートすることができます。

デメリット1. 税制面の優遇が少ない

マンションやアパートなどを貸して受け取る家賃収入は「不動産所得」に分類されますが、民泊の宿泊料収入は「雑所得」に分類されます。不動産投資で損失が出た場合は給与所得などとの損益通算(損失と利益の相殺)ができ、給与から源泉徴収された税金が戻る場合があります。しかし、雑所得では損益通算が許されていないため、税制面での優遇はありません。

したがって、節税目的で民泊投資を行う場合は注意が必要です。

デメリット2. 住宅ローン控除を受けられない場合がある

住宅ローン控除(住宅ローンを利用して住宅を購入した際に受けられる減税措置)は、購入者自身が住まない物件には適用されません。そのため、住宅ローンを組んで民泊用物件を購入したとしても、購入者自身が住まないオーナー型では控除を受けることができません。オーナー&ホスト型で、床面積が50㎡以上かつその半分以上の面積に購入者自身が住んでいる場合は、購入者自身が住んでいる部分に対してのみ住宅ローン控除が適用されます。

デメリット3. 文化の違いが招くトラブル

民泊投資のメリットで「外国人との異文化交流」を挙げましたが、一方で文化の違いなどからトラブルが発生しているのも事実です。夜間に大勢で騒いだり、部屋や備品を丁寧に扱ったりしないといったトラブルを聞いたことがあるでしょう。日本のガスコンロの使い方や冷暖房機器の使い方がわからず、火事を起こす可能性も考えられます。

民泊投資に関する法律

民泊のメリットやデメリットを紹介してきましたが、実際に民泊を行う場合は法律を守る必要があります。日本において「民泊」という概念が生まれてからまだ時間が経っておらず、しっかりとした法律もなかったため、さまざまなトラブルが発生してきました。そのような問題を解決する目的で、平成306月に「住宅宿泊事業法」が施行されました。この「住宅宿泊事業法」を含めて、現在日本で合法的に「民泊」を行うには、次に挙げる3つの法律のいずれかを守る必要があります。3つの法律について簡単に説明します。

旅館業法

以前から存在する法律で、都道府県知事(保健所を設置する市や特別区を含む)に申請して許可をとる必要があります。面積や衛生面の措置、営業場所の制限など、クリアしなければいけない条件が多く存在します。「ホテル営業」「旅館営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」の4つに区分され、民泊は通常「簡易宿所営業」で許可を得ます。

住宅宿泊事業法

平成306月に施行されたばかりの新しい法律です。都道府県知事などへ届出をするだけで住宅を民泊用施設として使用することができます。また、面積や衛生面の措置は旅館業法に比べて非常に緩やかで、営業場所の制限もありません。しかし、「年間提供日数180日以内」という大きなしばりがあります。

国家戦略特別区域法

首都圏や関西圏など、国から民泊の国家戦略特区に指定されている自治体に適用される法律です。該当する自治体は、内閣府の認定を受けて民泊を行うことができます。旅館業法より規制が緩やかで、住宅宿泊事業法のような180日ルールもありません。東京都大田区、大阪市などで実施されています。

国家戦略特別区域法は限られた地域にしか適用されないため、通常は「旅館業法」または「住宅宿泊事業法」のいずれかを選ぶことになります。それぞれの特徴を踏まえて、自身が条件を満たせる法律に従って始めることが大切です。

まとめ

民泊投資を始めるには、基本的な知識を身につけておかなければいけません。民泊の種類や一般の不動産投資と比べた場合のメリット・デメリット、法律などをしっかりと理解する必要があります。特に投資の初心者は、焦らずにじっくりと検討することをおすすめします。安全で、そして自分にとって有利な民泊投資を行いましょう。

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