ここを押さえれば大丈夫! 初心者が投資で成功するための基礎知識

「投資はギャンブルのようなもの」「投資は才能のある一部の人だけが儲かるもの」。投資に興味はあっても始められない方のなかには、そういったイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。投資の種類やそれぞれの性格を知っておけば、初心者でも安全に且つ効率よく資産を増やせる可能性があります。ここでは、投資商品を選ぶ際の注意点や、初心者におすすめの投資などをわかりやすく解説していきます。

上手に投資を利用すれば効率よく資産を増やすことができますが、投資商品の選び方や運用の仕方を間違えれば、当初期待していた収益が得られなかったり元本が減ったりすることがあります。可能な限りそのような事態を避け、健全に投資を続けるためには、次のような準備が必要です。

目的を明確にする

子どもが大学へ進むときの教育資金、5年後に家族で海外旅行をするためのお金、老後を豊かに暮らすための資金など、まずは投資で資産を増やす「目的」を明確にしておくことが大切です。目的が明確になれば、目標とする金額も明確になります。そうすれば、どの程度の金額を投資すればよいのか、何年間運用すべきなのかもおのずと見えてきます。

投資に回せるお金を把握する

手元にあるお金を大まかに分類すると、「日々の生活に必要なお金」「不測の事態に備えてすぐ使えるように保管しておくお金」「住宅資金や教育資金など将来使うことが決まっているお金」「特に使う予定のないお金」になります。このうち、投資に回すお金として最も適しているのは「特に使う予定のないお金」です。また、すぐに利用する予定のない「住宅資金や教育資金など将来使うことが決まっているお金」を投資に回すという方法もあるでしょう。

手元にあるお金のうち、どの程度の金額を投資に回せるのかをしっかりと把握しておき、その範囲を超えないように投資を進めることが重要です。

セールストークをうのみにしない

いざ投資をするとなると、証券会社や銀行、各種投資会社など投資商品を扱う会社とやりとりすることになります。このような会社のセールストークをうのみにせず、インターネットや本、あるいは利害の生じない専門家のセミナーなど複数の方面から情報収集や勉強をすることが大切です。また、最初から1社に絞らず複数の会社に相談してみるのもよいでしょう。基本的に、期待できるリターンの大きさとリスクの大きさは比例するものです。「ローリスクハイリターン」のような投資商品はないということを意識することが大切です。

各商品のリスクを把握する

投資における「リスク」の意味は、「危険性」というよりも、「不確実性」の方がニュアンスは近いかもしれません。為替・株価・不動産価格などは、ある程度将来の値動きを予測できたとしても、たとえ専門家でも「確実」にはわかりません。リターンを得るには、「リスク=不確実性」を受け入れる必要があります。リスクのない商品を探すのではなく、自分はどこまでのリスクが許容できるのかを把握し、商品を選ぶことが大切です。なお、「金融商品の販売等に関する法律(金融商品販売法)」で、投資商品を扱う会社は販売の際にリスクを含め重要事項を説明する義務が課せられています。万一投資商品を扱う会社が「リスク」にほとんど触れない、説明が不十分であるという場合があれば、わかるまで説明してもらうようにしましょう。

家族に伝えておく

投資する商品が決まったら、以下のような点を家族に伝えておくと安心するでしょう。

  • 何の目的でどの投資商品にいくら投資をするのか
  • 想定では何年後にどのくらい資産を増やせそうか、あるいは月々いくら入るか
  • どのようなリスクがあり、回避するためにどのような対策を考えているのか
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準備が終わればいよいよ商品選びとなりますが、その際に押さえておくべき注意点を紹介します。

リスクを低減できているか

やはり初心者はリスクを抑えた商品を選ぶのがよいでしょう。また、さまざまな投資商品を保有する「分散投資」(投資対象を多様化させることで、資産運用に伴う価格変動リスクを低減させて好リターンをめざす有効な方法)や「少額投資」「長期保有」などの投資方法もリスク低減につながる可能性があるということを覚えておきましょう。

コストはどのくらいかかるか

初心者は、期待されるリターンなど「入ってくるお金」ばかりに目がいき、手数料や税金などの「出ていくお金」を忘れがちです。通常は、必要なコストについても投資商品を取り扱う販売会社から説明がありますが、万一説明がない場合は、必ず確認しておきましょう。表面的には高いリターンを得られそうであっても、コストが高すぎてそれほど収益が上げられなかったということもあり得ます。コストも考慮したうえで、商品を比較検討することが大切です。

自分の性格との相性は良いか

選んだ投資が自分の性格と合っているかどうかも、ひとつのチェックポイントです。例えば、「面倒くさがりで何かを調べたりするのは嫌い」という方に、株式投資はおすすめできません。値上がりが見込める銘柄を選ぶためには、丁寧な情報収集が必要となるからです。また、ちょっとした変化に過敏に反応する方は値動きの激しい投資は避けたほうがいいかもしれません。反対に細かいところまで調べるのが好き、結果が出るまで気長に待てるといった性格であれば、株式投資のような商品が合うこともあります。

以上の注意点を押さえたうえで、次に、初心者にもおすすめできる投資をいくつか紹介していきます。

初心者でも、最初から「ハイリスク・ハイリターンを狙っていきたい」という場合があるかもしれません。しかし、知識や経験の十分にない初心者が「ハイリターン」を狙う投資に挑戦するのは避けるべきでしょう。まずは、リスクが低い商品を選び、「少額投資」「長期保有」で始めてみるのが無難です。以下に、初心者におすすめの商品を紹介します。

個人向け国債

日本国が発行する債券のうち「個人」を対象に発行したもので、「固定3年」「固定5年」「変動10年」の3種類があります。半年ごとに利子が得られて、元本割れするリスクが小さい「ローリスク」商品です。1万円から購入でき、発行後1年以上経てば中途換金ができます。換金のタイミングによって受け取る利子の金額が変動するので、注意しましょう。利子には預貯金と同じく20.315%の税金がかかりますが、それでも定期預金などと比べると有利であるといえるでしょう。

投資信託

個人や法人から預かった資金を、プロが株式や債券などで運用します。投資信託には、以下のように数多くの種類があります。

  • 投資の対象…債券・株式・それ以外、またはそれらを組み合わせたもの
  • 対象地域…国内・海外、またはそれらを組み合わせたもの
  • 購入可能な期間…当初の募集期間のみ購入できるもの(単位型)、または運用期間中ならいつでも購入可能なもの(追加型)

投資信託のメリットは少額から始められることです。投資のリスクを低減する方法のひとつとして分散投資がありますが、投資信託であれば少額で分散投資ができるので、魅力的といえます。一方で、購入時や保有中の手数料、換金時の信託財産留保額(運用の安定性を維持するため、解約代金から徴収される費用)などのコストが発生します。それらのコストも商品により異なりますので、情報収集を行ない、注意して商品を選ぶようにしましょう。

不動産投資

所有している不動産を貸して家賃収入を得る投資です。マンション1室から始めたり、ローンをうまく利用すれば、少額の資金でも取り組むことができます。投資ですので空室や災害などのリスクはもちろんありますが、賃貸需要のある不動産を選んだり、保険に入ったりすることで、リスクを抑えられる場合があります。また、「家賃」は、株価や為替のように大きな値動きをすることは少なく、元本(不動産投資の場合は保有する不動産の価格)がゼロになることは考えにくいことから、リスクが限定的であるともいえるでしょう。固定資産税や火災保険料などのコストは発生しますが、それらはすべて確定申告時に経費として算入できるため、節税効果が期待できます。

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では、実際に初心者がするとしたらどのような投資の方法があるでしょうか。モデルケースを3つご紹介します。

20代の女性が株主優待を目的に株式投資をする

株式投資に興味はあるものの大きな損失は避けたい20代女性Aさん。配当金と株式優待を目的として、長期保有を前提に株式投資を始めることにしました。

いろいろ検討して選んだのが化粧品メーカーA社の株式。配当利回りは3%、100株以上保有で同社の化粧品がもらえるという株式優待がついています。もともと好きな化粧品メーカーだったのと、1株5,000円で、5,000円×100株=50万円とムリなく購入できる範囲だったのが決めた理由です。

株主優待は、自社の株式を購入した株主に対して、企業が感謝を表す意味でさまざまな優待品やサービスを提供する制度です。すべての銘柄にあるわけではありませんが、化粧品やデパート、レジャー施設の割引券、食事券など内容は多岐にわたり、Aさんのようにその内容で銘柄を選ぶのも、ひとつの方法です。

30代の男性が副業として不動産投資をする

給与以外にプラスアルファの収入が欲しくて、副業を考え始めた30代男性Bさん。本業の妨げにならない副業をしようとネット検索していたところ、「不動産投資」の文字が目に入りました。不動産投資というとお金持ちがするものというイメージでしたが、ワンルームマンションなら可能かもしれないと思い、チャレンジすることにしました。

Bさんが選んだのは2,800万円のワンルームマンション。利回りは5%で年間家賃収入は2,800万円×5%=140万円、管理費などが年間25万円かかります。頭金を200万円入れ、固定金利2%、返済期間35年、元利均等払いでローンを組んだところ、年間返済額は約103万円になりました。

この場合、Bさんの不動産投資における年間の収入は、140万円-103万円-25万円=12万円で、月々では1万円ほどの収入になります。またローンを完済すれば、収入はさらに増えます。できれば繰り上げ返済を行いたいと考えていますが、仮にできなくてもBさんの場合は60歳代には完済します。将来年金を補完する収入源としても心強い存在になりそうです。

40代の男性が老後資金のため積立投資をする

将来の老後資金のため月々3万円を積み立てていくことを決めた40代男性Cさん。元本保証の積立定期預金(金利は0.01%)か、多少リスクがあっても定期預金よりリターンが期待できる積立投信(積立型投資信託)の、どちらにするかを検討しています。

そこで、金融庁がWEBで提供している「資産運用シミュレーション」を利用して最終積立額を出し、比較してみることにしました。積立投信を利回り3%で運用できたと仮定し、どちらも20年間積み立てたとします。すると、積立定期預金は720万7,175円、積立投信は984万9,060円で、その差は264万円ほどになります。この結果を見て、Cさんは積立投信を選びました。

積立投信は元本保証ではないものの、無理のない金額からの「少額投資」が可能です。また、本人が特に何もしなくても「分散投資」になり、Cさんの場合は老後資金作りが目的のため、「長期保有」することになります。このようにリスク低減に結び付く投資方法のため、初心者の投資として良い選択といえるでしょう。

ただし、積立投信は、積立額から手数料や税金が差し引かれます。同じ積立投信をするなら、手数料が割安で、投資で得た利益が非課税になる「つみたてNISA」を利用するとよいでしょう。つみたてNISAの詳細については、この後説明します。

「つみたてNISA」という言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、具体的にどういったものかご存知でしょうか。つみたてNISAの概要および、おすすめである理由を見ていきましょう。

つみたてNISAとは?

そもそも「NISA」とは、金融機関に「NISA口座」を作り、その口座で株式や投資信託などを運用した場合に、譲渡益や配当金、分配金などの利益が非課税になる税の優遇制度のことです。制度が適用される投資枠は年間120万円、期間は最長5年です。

一方「つみたてNISA」は「つみたてNISA口座」で行った投資で得た利益が非課税になる仕組みはNISAと同じですが、投資の方法は積み立てに限り、投資枠が年間40万円、期間が最長20年といった点が異なります。

さらに、NISAとつみたてNISAの大きな違いは、NISAが株式や投資信託、ETFなど制度の対象商品が広いのに対し、つみたてNISAは金融庁が定める条件をクリアした投資信託とETFのみとなっている点です。

つみたてNISAが初心者におすすめな理由は?

つみたてNISAは、投資枠を最大限利用した場合に、月々3万3,000円をコツコツ積み立ててられる、「少額投資」を前提にした制度です。さらに、その対象商品は、金融庁が「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」に限定しています。

つまり、つみたてNISAは、非課税の優遇が受けられると同時に、リスク低減のポイントとなる「分散投資」「少額投資」「長期保有」が実現できる制度といえますので、初心者におすすめといえるのです。

もちろん、この制度を利用したからといって元本が保証されるわけではありませんが、金融庁が定めた条件をクリアした銘柄のみなので、安心感があるでしょう。また、対象の商品が限られるため、比較的銘柄が選びやりやすいというメリットもあります。

投資はギャンブルではなく、初心者でも資産を効率よく増やすことができる手段といえます。投資において大切なのは、自分に合ったものを選ぶこと。こちらで紹介した「投資を始める前にしておくべきこと」や「投資商品を選ぶ際の注意点」を参考に、最適な投資商品を選択して資産づくりに役立ててください。

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