
不動産投資
不動産投資にはどんな種類があるの? メリットやデメリットも交えて解説
不動産投資には、さまざまな種類があります。初心者が不動産投資をする場合、どのような種類を選ぶとよいのでしょうか。不動産投資の主な種類とメリットやデメリット、選ぶ際の観点について解説します。
不動産投資の種類
不動産投資というと「マンションなどの物件を所有して、その部屋を人に貸す」というイメージがありますが、実はその他にもさまざまな種類があります。これから不動産投資を始めようと思っているなら、まずは主な投資先について知っておきましょう。
物件の種類
まずは、投資対象となる物件の種類を見てみましょう。住宅の場合、大きく分けると、以下のようなタイプがあります。
Ø 集合住宅(区分所有、一棟所有)
Ø 一戸建て
集合住宅の区分所有は、マンションなどの1室を購入し、部屋を貸し出します。一棟所有とは、マンションやアパートを一棟購入し、複数の部屋を貸し出します。一戸建ては一戸建ての住宅を購入し、同様に貸し出します。
集合住宅の区分所有タイプは、1室のオーナーから始められるため、資金面から考えると初心者向きといえるでしょう。
建物の用途による種類
建物の用途によっても種類を分けることができます。上記のように、住宅に使用される建物に投資する他にも、オフィスや店舗へ投資するタイプもあります。この場合、REIT(不動産投資信託)やファンド(投資信託)という仕組みを使って行われる場合もあります。
その他
駐車場、民泊なども不動産投資に含まれます。駐車場経営であれば個人での参入も比較的容易で、初期費用を抑えることができます。
住宅へ不動産投資をする際のメリット・デメリット
不動産投資の初心者が住宅への投資を始める場合、どのような物件が適しているのか考えていきましょう。ここでは住宅の種類別に、メリット・デメリットを解説します。
区分所有
区分所有の不動産投資は、マンションやアパートの1室のみなど、部屋単位で所有します。メリットとしては、以下が挙げられます。
Ø 物件価格・初期費用が比較的安い
Ø 管理に手間がかからない
Ø 売却しやすい
不動産投資のなかでは、物件価格・初期費用が安いため、初心者向けの投資方法です。区分所有の場合、エレベーターや廊下、駐車場などの共用部は管理組合が管理するため、手間がほとんどかかりません。また、一棟所有に対して価格が安いことがほとんどであり、売却が比較的しやすいことも区分所有の大きなメリットです。
一方で、デメリットがあります。
Ø リフォームによる内装の変更には制限がある
Ø 立地や築年数によってはローンが通りにくい場合がある
Ø 空室が出たときの損失が大きい
マンションの規約によって決まりがあるため、各部屋の大きな部位や共有部をリフォームするには制限があり、思いどおりにアレンジできないことがほとんどです。また、築年数や立地によっては、ローンが通りにくくなる場合もあります。
さらに、1室所有であるため、空室になった場合の家賃収入がゼロになる点にも注意が必要です。
一棟所有
一棟所有はアパートやマンションを丸ごと所有する不動産投資です。一棟所有のメリットを見ていきましょう。
Ø 家賃収入がゼロになりにくい
Ø 利回りが高くなりやすい
Ø 相続税対策になる
複数の部屋から収入が得られるため、1室のみ空室が出ても家賃収入がゼロになることはありません。
また、利回りについて一棟所有と区分所有を比較してみると、一棟所有のほうが表面利回りが高い傾向にあります。表面利回りとは、物件購入価格を1年間の想定家賃で割った数値のことで、物件価格に対してどの程度の家賃収入が得られるかという収益性を示したものです。表面利回りが高いということは、それだけ収益性が高いということになります。
さらに、財産を相続する場合、相続財産の価値は「財産の取得時(相続発生時)の時価」によって評価されます。土地の場合は国が定める路線価または倍率方式(路線価が定められていない地域において用いられる評価方法で、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じたもの)、建物の場合は固定資産税評価額という方式により評価され、実際の物件価格よりも低くなることが多いため、相続税対策となります
一方、一棟所有のデメリットは次のとおりです。
Ø 物件価格・初期費用が高い
Ø 立地や築年数により空室率が高まると損失が大きい
Ø 修繕・リフォーム費用の負担が大きい
一棟所有は区分所有と比べると、初期費用が多く必要となります。また、ほとんど自己資金を投下しないのであれば多額のローンを抱えることになります。場合によってはローンの審査が通らずに、購入することができないこともあります。
複数の部屋からの家賃収入を得られるのが一棟所有のメリットですが、空室率が高くなるとその分発生する損失は区分所有に比べ甚大です。また、経年劣化や災害により修繕が発生した場合も、オーナーには大きな負担がかかります。
一戸建て所有
一戸建てを所有して家賃収入を得る投資方法です。一戸建てのメリットを見ていきましょう。
Ø 入居者が長く住む可能性がある
Ø 土地を有効に活用できる
Ø 集合住宅よりも取得費用・維持管理費用が低い
戸建て所有の場合、単身者よりもファミリー層が入居する場合が多いでしょう。ファミリー層の場合、子どもの通学など様々な要因から長期にわたって住み続ける可能性が高くなります。さらに集合住宅とは違い、建て増しなどによって、土地を有効に利用することもできるでしょう。
また、マンションやアパートを一棟所有するよりは、一般的に初期費用、維持管理費用が低く抑えられます。
一方で戸建てを所有するデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
Ø 入居者が見つかりづらい可能性がある
Ø 家賃の設定が難しい
Ø 庭の整備など家回りの管理で負担が増えるケースがある
上記のとおり、一戸建てはファミリー層が対象になることが多いなか、ファミリー層は単身者よりも引っ越しの回数が少ないことなどでなかなか次の入居者が見つからない可能性があります。
また、家賃の設定が難しいという面もあります。例えばアパートを3部屋、家賃7万円で貸し出す場合、7万円×3部屋=21万円の家賃収入が見込めますが、その3部屋を合わせた床面積をもつ一戸建てでも、月々21万円の家賃設定をすることは難しいでしょう。あまりに高額な家賃設定は、入居の対象となる人を著しく狭めてしまいます。
さらに、庭付きであればこまめな整備が必要となるほか、屋根の補修など、建物の維持にはある程度のまとまった費用負担が発生します。
自分に適した不動産投資の選び方
最も高い利回りが期待できる不動産投資はマンションの一棟物件ですが、スケール的なメリットがある一方で、資金面、運用面ともハードルが高くなります。自己資金の少ない方であれば、まずは区分マンション投資からスタートし、不動産投資に対する知識を増やしながら、少しずつ所有物件を広げていくようにしましょう。
まとめ
不動産投資の種類には、それぞれメリットとデメリットがあります。また、投資できる金額などによっても、選択肢が変わります。それぞれの投資方法について理解し、最も自分の条件に適した不動産投資を選び、将来に向けて資産形成をしましょう。