投資におけるレバレッジとは? 効果やリスクについて理解しよう

投資に関する用語に「レバレッジ」という言葉があります。「レバレッジ」は英語で「leverage」と綴りますが、この言葉には「てこの原理」の意味があります。投資における“てこの原理”とは具体的にはどのようなことなのでしょうか。今回は、投資におけるレバレッジの意味や、具体的な例としてFX(外国為替証拠金取引)と不動産投資における、レバレッジ効果やリターン・リスクについて説明します。

レバレッジとは

前述のとおり、レバレッジには「てこの原理」という意味があります。小学生のころに理科の授業で習ったように、小さな力で重い物を動かすことです。

投資におけるレバレッジは、自己資金を元手にお金を借りて投資をし、自己資金だけでは得られないような大きな収益を狙う手法のことを指します。「手元の資金が少なくても、それ以上の大きな取引ができる」ことが、レバレッジのメリットです。つまり、投資において「てこの原理」と同じような効果が得られる可能性があるということです。

レバレッジの効果

例えば手元に10万円があり、確定利回り5%の投資商品で運用した場合の年間収益は10万円×5%=5,000円です。一方この10万円を元手に90万円(金利1%)を借りて100万円で運用した場合は、年間収益が100万円×590万円×1%=41,000円となります。

自己資金は同じ10万円であるにもかかわらず、収益は41,000円÷5,000円=8.2倍にもなっています。レバレッジを利用したことで、自己資金を上手に活用し、効率よく収益を上げることができたということです。このように、元手に比べて大きなリターンが得られることを「レバレッジ効果」といいます。

レバレッジのリスク

レバレッジにはこのように効率よくリターンが狙える一方で、レバレッジを利用したからこそのリスクもあります。例えば上記のケースにおいて、金利が5%に上がったとすると、年間収益は100万円×590万円×5%=5,000円、金利が10%に上がったとすると年間収益は100万円×590万円×10%=4万円になります。つまり、場合によってはレバレッジの効果がまったくない、もしくは大きな損失が出るというリスクがあるのです。

このケースでは、利回りが確定された商品で借入金も少ないため、リスクもリターンもそれほど大きなものではありませんが、実際にレバレッジを利用した投資のなかには、かなりのハイリスク・ハイリターンの取引が見られます。

レバレッジを利用する投資商品としては、商品の先物取引(将来のどこかの時点で商品を売買することを決め、その取引価格を現時点で決める投資)や、FXなどがよく知られています。またローンを利用することで不動産投資でもレバレッジ効果が期待できます。同じ「レバレッジ」という言葉でも、その効果は投資商品によってかなりの違いがあります。

では、FXと不動産投資を例にして、レバレッジについて見ていきましょう。

※計算を簡素化するため省略していますが、投資商品については税金や手数料、その他各投資商品特有のコストなどがかかります。実際に検討する際は、投資商品の取り扱い会社に確認してください。以降も同様です。

FXにおけるレバレッジのリターンとリスク

FXは英語のForeign exchange(外国為替)から生まれた言葉であり、日本語での正式名称は外国為替証拠金取引です。

為替レートは刻々と変動します。FXは、そのタイミングを見て外国の通貨を売買してリターンを狙う投資です。自己資金を「証拠金(担保金)」として預け、レバレッジをきかせることで証拠金の何倍もの取引ができるのが特徴です。証拠金の何倍の取引をするかは基本的に本人の希望によりますが、法律(金融商品取引法)では25倍までと定められています。

FXにおけるレバレッジのリターン

まずは、FXのレバレッジのリターンについて見てみましょう。

例えば、米ドルの為替レートが1ドル100円のときに自己資金10万円を米ドルに両替すると、10万円÷100円=1,000ドルになります。このあと仮に円安ドル高が進行し為替レートが1ドル110円になったとすると、1,000ドル×110円=11万円です。この時点で日本円に両替すると11万円-10万円=1万円の収益が出ます。

一方、10万円をそのまま両替するのではなく、FX投資をするとしましょう。10万円を証拠金として預け、レバレッジ10倍の100万円で米ドルを購入します。為替レートは同様に1ドル100円とすると、100万円÷100円=1万ドルを得ることができます。ここで同じく1ドル110円となったとすると、保有している米ドルの価値は1万ドル×110円=110万円です。FXは差金決済(売買の差額の受け渡しによる決済)のため、110万円−100万円=10万円を受け取ることができます。

つまり、同じ自己資金10万円を使って、効率よく10倍の収益を上げたことになります。これがFXにおけるレバレッジのリターンです。

FXにおけるレバレッジのリスク

逆に円高ドル安に進み、1ドル90円になったとしましょう。単純な両替の場合は1,000ドル×90円=9万円となり、9万円10万円=−1万円の損失が発生します。FXの場合は、1万ドル×90円=90万円で、90万円100万円=10万円の損失が発生します。同じ自己資金10万円で10倍もの損失を被ったことになります。これがFXのレバレッジのリスクです。

以上のケースでは、預けた証拠金10万円がそのまま戻ってくると仮定して計算していますが、実際、証拠金は保証されているものではありません。投資商品によっては、ある時点で損失が出ていても、その後の状況の変化や運用の仕方で回復することもあるため、そのまま証拠金を保有する選択肢もあります。しかしFXにはロスカットという制度があり、必ずしも保証金を維持できるということはありません。

ロスカットとは、投資をする人とFXの取り扱い会社の損失を防ぐためのもので、証拠金の残高がFXの取り扱い会社が定めている金額を下回った場合に、強制的に決済をされる制度です。この制度があるため、長期保有による損失からの回復が難しいこともFXにおけるレバレッジのリスクといえます。

不動産投資におけるレバレッジのリターンとリスク

不動産投資とは、所有するマンションやアパートなどを貸し出して家賃収入を得たり、タイミングを見て不動産を売却して売却益を狙ったりする投資のことです。バブル時代は短期間で不動産売買を繰り返し、売却益を狙う投資法がスタンダードでしたが、現在は長期で不動産を保有し、毎月の家賃収入を見込んで行うことが一般的です。この不動産投資でもローンを利用することでレバレッジ効果が期待できます。マンションやアパート丸々一棟の不動産投資もありますが、ここではマンションの一室で運用する「区分マンション投資」の場合を見てみましょう。

不動産投資におけるレバレッジのリターン

例えば中古マンションの一室を自己資金500万円で一括購入し、部屋を貸し出したとします。利回りは6%で年間の家賃収入が、500万円×6%=30万円と仮定します。

一方、その500万円を頭金にして2,500万円のローン(金利3%)を組み、3,000万円の中古マンションを購入した場合を考えてみます。こちらも利回り6%とすると、年間の家賃収入は3,000万円×6%=180万円です。ただし、ローンの支払利息が2,500万円×3%=75万円発生しますので、180万円75万円=105万円が年間収益です。

つまり使った自己資金は500万円と同額でも、ローンを組んだ場合は105万円の収益を得ることができ、組まなかった場合より105万円30万円=75万円も多い収益を、効率よく上げられたということになります。これが不動産投資におけるレバレッジのリターンです。

不動産投資におけるレバレッジのリスク

もちろん、不動産投資においてもFXと同様レバレッジによるリスクもあります。ローンの金利が上昇し、年間の収益が減ってしまうことです。

仮に金利が3%から5%に上昇したとしましょう。すると、年間のローンの支払利息は2,500万円×5%=125万円になり、年間の収益は180万円125万円=55万円です。金利が3%の105万と比べると、年間収益は半分近くにまで減ってしまいます。

さらに金利が上昇して7%になったとすると、年間支払利息は2,500万円×7%=175万円で、年間の収益は180万円−175円=5万円です。一括購入をしたケースの年間収益30万円よりはるかに少なくなり、ローンを組んだことによるレバレッジ効果がないどころか、レバレッジがマイナスに働いた状態といえます。これが不動産投資におけるレバレッジのリスクです。

ただし、不動産投資にはFXのロスカットのような制度がないため、そのまま長期保有ができます。もしローンの金利が再度下がったりローンを完済したりできれば、トータルの収益では「レバレッジの効果があった」という状態にまで回復させることができることもあるでしょう。

また、不動産投資では購入時よりマンションの価格が下落することがあります。しかし、長期保有することでマンションの価格が回復したり、定期的な家賃収入によって下落した分をカバーできたりする場合もあります。

まとめ

レバレッジは、手元にある資金を元手に資金を借り入れて、より大きなリターンを狙っていく投資の方法です。少額で大きな取引ができるのがメリットですが、リスクがあるため注意が必要です。レバレッジの効果やリターン・リスク、また投資商品におけるレバレッジの違いも理解したうえで、投資を行うようにしましょう。

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