少額から始められる! REITに関する基礎知識やメリット・リスク

REIT(リート)という投資商品を耳にすることがありますが、「難しそう」「ほかの投資商品との違いがわからない」というイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、REITについての基礎知識およびメリット・リスクについて解説します。

REITとは?

まずは、REITに関する基本的な内容について解説します。

REITの仕組み

REITは「不動産投資信託」のことです。投資法人(REIT発行者)が投資家から預かった資金と融資によって不動産を取得し、その不動産から得られる賃料収入等を原資として、REITを取得した投資家へ還元する仕組みです。

日本のREIT(J-REIT)は、2001年9月に初めて証券取引所に上場されました。このJ-REITは証券会社を通じて売買可能であり、株式投資と仕組みが似ています。J-REITは株式会社でいう株式にあたる「投資証券」を発行し、投資家は証券会社を通して投資証券を取得します。

どのような種類の不動産が対象になっているのかについては、後述します。

REITの収益

投資家がREITを取得することで得られる収益は、以下の2種類です。

  • 分配金
  • 売買益

まず、上述したようにJ-REITは不動産で得た収益を投資家へ還元します。これが分配金であり、一つめの収益です。分配金は、株式投資における配当金をイメージしてもらえればわかりやすいでしょう。

不動産証券化協会の『J-REIT分配金利回り(10年間)』というデータによると、J-REITの分配金利回りは2018年7月で約4%になっています。仮に、分配金利回り4%のJ-REITを100万円分取得すれば、その4%である4万円を分配金として受け取ることができます。

また、J-REITは、株式投資と同じく売買することで収益を得ることも可能です。J-REITの場合は「1口」という売買単位になり、例えば1口20万円のREITを5口取得したとします。

そして、そのJ-REITに人気が集まり、需要が高まったことで価額が1口25万円に上がったときに売却すれば、「差額5万円×5口」で25万円の収益になるというわけです。

REITの種類

2019年1月時点でJ-REITの銘柄数は61銘柄です。それぞれの銘柄は、以下のような種類に分類されます。

  • オフィス型REIT
  • 住宅型REIT
  • ホテル・旅館型REIT
  • 商業施設型REIT
  • 物流型REIT
  • ヘルスケア型REIT
  • 総合型REIT

オフィス型~ヘルスケア型はそれぞれの不動産に特化しているJ-REITです。例えば、オフィス系ならオフィスビルを取得して運営するJ-REITであり、商業施設系なら商業施設を取得し運営します。総合型J-REITは、これら特化型を組み合わせたJ-REITです。

REITのメリットとは?

REITの仕組みがわかったところで、次にREITのメリットついて解説します。

売却しやすい

前述したように、J-REITは証券会社を通じて売買が可能です。買い注文が入っている価額の場合、市場が開いている平日の日中であれば瞬時に決済できるので、J-REITは売却しやすいといえます。

現物不動産を自分で保有している場合と比較してみましょう。その場合、売却するときには「査定・媒介契約締結・売却活動・契約・引渡し」といった段取りが必要です。売却完了までに数ヵ月の時間がかかることも珍しくありません。しかしJ-REITは、間接的とはいえ現物不動産投資と同じような収益が得られる一方で、売却がしやすく、メリットが大きいといえるでしょう。

インフレ対策になる

インフレとは貨幣価値が下がり物価が上がることです。つまり、不動産価値も上がっているので、現物不動産を保有しているREITの価値も上がる可能性が高いと考えられます。

そのため、現金を持っているだけで価値が下がってしまうインフレ時には、REITを持っていたほうが資産を守ることにつながります。

少額で間接的に不動産を所有できる

REITは1口から取得することができ、安価な銘柄であれば1口10万円を切るものもあります。REITは現物不動産を保有するわけではありませんが、REITの投資法人が現物不動産を保有しているので、少額で間接的に不動産を所有できるともいえます。

不動産投資のプロが運用を行う

投資法人は不動産取得や運用をAM、PMといった不動産投資のプロ集団に任せます。AMとはアセットマネジャーのことであり、不動産物件の投資・売却の意思決定や物件の維持管理と収益の最大化といった役割を担います。

一方、PMとはプロパティマネジャーのことであり、AMから委託を受けて賃貸管理業務や、月次報告書作成、建物修繕・設備更新の提案などを行います。このように、REITによって間接的に取得する不動産は、プロ集団によって運用が行われる点もメリットといえるでしょう。

複数の不動産に分散投資できる

現物不動産投資として一室のマンションを取得した場合を考えてみましょう。仮に、災害が起きてマンションが損傷したり、ネガティブなニュースによってマンションのあるエリアの評判が落ちたりすれば、賃料下落や資産価値下落のリスクが生まれます。

一方、REITの場合は、投資法人が一つの物件ではなく複数の物件を取得し運用します。つまり、震災リスクや賃料下落、さらには空室リスクなども分散できるというメリットがあるのです。

分配金の配当率が高い

上述したように、不動産証券化協会の調べによると、J-REITの分配金利回りは4%であり、これはほかの商品の利回りと比べても高いといえます。例えば、東証一部の株式の配当利回りは2%強であり、定期預金の金利も0.015%といった状況です。

REITは「賃料収入」という比較的安定している収益がメインであり、かつ条件をクリアすれば投資法人は法人税の免除を受けることができます。法人税免除の条件のひとつに「当期利益の90%超を投資家に分配すること」という項目があり、免除を受けることでさらに投資家に還元できる収益が上がります。それらが要因となり配当利回りが高くなるため、投資家のメリットにつながっていくのです。

REITのリスクとは?

一方で、REITには以下のようなリスクがあることを理解しておきましょう。

元本が保証されない

REIT価額は株式投資と同じように需給バランスで決まるので、REIT価額が下落すれば資産は目減りします。また、比較的安定しているとはいえ、オフィスビルでも住宅でも、不動産は空室・家賃下落リスクがあるので分配金の利率も保証されていません。

さらに、市場の上場規定に抵触すれば上場廃止になるリスクがありますし、投資法人自体が倒産してしまうリスクもあります。このように、REITは元本が保証されないということを理解しておきましょう。

金利変動リスクがある

前述したように、投資法人は投資家から預かった資金と融資によって物件を取得します。そのため、融資を変動金利で組んでいた場合、金利が上がってしまうと支出が増えてしまいます。そうなると、取得した不動産から得られる収益が圧迫されるため、賃料収入が下がりREIT価額の下落や分配利回りの低下につながります。

まとめ

REITでは、間接的に不動産のオーナーになることができ、不動産投資のプロが運用する成果を享受できるというメリットがあります。しかし、メリットがある一方で、元本が保証されないといったリスクもあります。正しい知識を持ったうえで、資産運用のひとつとしてREITを検討してみてはいかがでしょうか。

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