不動産購入時に気をつけよう! 不動産取得税の基礎知識と計算方法

不動産を取得すると「不動産取得税」を納付する必要があります。不動産取得時に発生するため、不動産購入を考える際には予算に組み込んでおかなければなりません。今回は、不動産取得税の概要や計算方法、主な軽減措置などについて紹介します。不動産購入を検討する際の参考にしてください。

不動産取得税とは

不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得した場合に課せられる地方税です。課税を行うのは取得した不動産の所在する都道府県で、不動産を取得した個人または法人が納税義務者になります。

「取得したこと」に対して課される税金ですので、建て売り住宅を購入したときや注文住宅を新築したときはもちろん、増改築したり贈与されたりした場合なども対象になります。ただし相続によって取得した不動産は非課税です。

通常、固定資産課税台帳に登録されている評価額が課税標準額となりますので、原則「評価額×税率」で税額を算出します。

なお、地方税法で定められた従来の標準税率は4%ですが、後述の特例によって、2019年2月現在は土地と住宅については3%、住宅以外の建物は4%です。

ただし、税率は必ずしも標準税率である必要はなく、都道府県で定めることができます。多くの場合、標準税率を採用しているようですが、念のため都道府県に税率を確認しておきましょう。

納付までの流れは、次のようになります。

  1. 不動産を取得したら、30日以内、60日以内など不動産の所在する都道府県が定める期日までに、役所へ「不動産取得税申告書」を提出します。後述する新築や中古住宅、敷地の特例の条件を満たす場合は、その申請書も一緒に出しましょう。
  2. 不動産を取得してか6ヵ月~1年半くらいの間に、各都道府県から納税通知書が送られてきます。取得から日にちが経っていますので、忘れてしまわないよう、1の申告書を出す段階で、税額相当分を別に置いておくとよいでしょう。納期や受けられる軽減措置がきちんと反映されているかなど、納付書の内容に間違いがないかを確認し、納期までに納める必要があります。

申告書の提出期限を超えてしまった場合でも、受理してもらえることがほとんどですが、不動産申告書は期日までに提出するよう定められているものです。対象となる軽減措置を確実に受けるためにも忘れずに申告をしましょう。

不動産取得税の軽減措置

不動産取得税についておおまかにわかったところで、次に軽減措置についてご紹介します。主な軽減措置は、次の6点です。

  • 免税…不動産取得税の課税標準となる評価額が、土地であれば10万円未満の場合、新築や増改築した住宅やその他の建物であれば23万円未満の場合、すでに建っているものを購入したり贈与されたりした住宅やその他の建物であれば12万円未満の場合には、課税されません。
  • 宅地および宅地に準ずる土地の課税標準額の特例…平成33年3月31日までに取得する「宅地」とそれに準ずる土地については、固定資産課税台帳に登録されている評価額の2分の1を課税標準額とします。
  • 標準税率引き下げの特例…平成33年3月1日までに取得した土地と住宅(住宅以外の建物は対象外)については、本来4%の標準税率が3%になります。標準税率ですので、実際の税率は各都道府県で定めることができます。
  • 新築住宅の特例…一戸建てや賃貸用以外のマンションなどの場合は床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下、賃貸用のマンションなどの場合は40平方メートル以上240平方メートル以下であれば、本来の課税標準額から1,200万円(本来の課税標準額が1,200万円未満の場合はその額)が控除されます。増改築の場合も適用されますが、増改築後の状況での判定となりますので注意しましょう。長期優良住宅については平成32年3月31日までの取得分に限り、控除額が1,300万円になります。長期優良住宅(長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられている優良な住宅)の詳細は、国土交通省や一般社団法人住宅性能評価・表示協会のホームページで確認してください。
  • 中古住宅の特例…床面積50平方メートル以上240平方メートル以下の場合、本来の課税標準額から、新築された年月日に応じて100万円から1,200万円までの金額が控除されます。最も古くて昭和29年7月1日の新築分から適用されます。平成9年4月1日以降の新築分は、新築住宅の特例と同様1,200万円の控除となります。ただし、取得者本人が居住するための住宅に限られるため、賃貸用は適用外となりますので、不動産投資を検討されている場合は注意が必要です。
  • 敷地の特例…新築住宅や中古住宅の特例の対象となる住宅の敷地である土地については、本来の課税標準額(平成33年3月31日までの取得分については、評価額×2分の1)から次の(1)か(2)の多い方の額が控除されます。

(1)4万5,000円(税額が4万5,000円未満である場合はその額)

(2)(1平方メートルあたりの評価額×2分の1)×(住宅の床面積×2)×3%

以上の軽減措置のうち新築住宅、中古住宅、敷地の各特例については、基本的に必要書類をそろえて「不動産取得申告」の際に申請する必要があります。

申告の期限を過ぎたり忘れたりしていた場合も、受けられる可能性が高いため、都道府県の税事務所に相談しましょう。

不動産取得税のモデルケース

では、簡単なモデルケースで実際に不動産取得税がいくらになるか算出していきます。その際、軽減措置を受けられない場合と受けられる場合でどのくらいの違いが出るかも確認してみましょう。

居住用の中古のマンション1室を、賃貸に出すために購入したとします。土地の持ち分面積(マンションの敷地全体を専有部分の床面積の割合に応じて按分した面積)も課税床面積(専有部分の面積+共用部分の持ち分)も50平方メートル、評価額は建物部分、土地部分ともに1,500万円、不動産取得税の税率は3%とします。

賃貸に出すため、中古住宅の特例および敷地の特例が受けられません。この場合、税額は次のようになります。

  1. 建物部分の税額

1,500万円×3%(標準税率)=45万円

  1. 土地部分の税額

1,500万円×2分の1(宅地および宅地に準ずる土地の課税標準額の特例)×3%(標準税率)=22万5,000円

不動産取得税額は、45万円+22万5,000円=67万5,000円です。

では他の条件は全く同じで、中古ではなく新築だった場合の税額はどうなるでしょうか。新築の場合は、中古住宅と違って、賃貸(居住用)に出す場合でも、新築住宅および敷地の特例が適用されるため、次のようになります。

  1. 建物部分の税額

(1,500万円-1,200万円<新築住宅の特例による控除>)×3%(標準税率)=9万円

  1. 土地部分の税額

まずは敷地の特例の判定に使う計算式「(1平方メートルあたりの評価額×2分の1)×(住宅の床面積×2)×3%」に当てはめて算出します。

(1,500万円÷50平方メートル×2分の1)×(50平方メートル×2)×3%=45万円 

判定基準となる4万5,000円より大きい金額なので、控除額は45万円になります。したがって不動産取得税は、以下のように算出します。

(1,500万円×2分の1<宅地および宅地に準ずる土地の課税標準額の特例>-45万円)×3%(標準税率)=21万1,500円

不動産取得税額は、9万円+21万1,500円=30万1,500円となり、軽減措置の適用がなかった場合に比べて、半分以下の税額になります。

特例の適用がある場合とない場合では、かなりの差があることがわかります。適用を受けられる場合は忘れずに申告するなど、確実に受けられるようにしたいものです。

まとめ

不動産を取得した場合は、不動産取得税を考慮しなければいけません。ここで紹介した不動産取得税の基礎知識や計算方法を知ったうえで、まずはどれくらいかかりそうかを把握しておくことが大切です。また、軽減措置を受けられる場合は忘れずに申告しましょう。

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