iDeCoとNISAを徹底比較! あなたに有利なのはどちら?

資産形成における税の優遇を受けられる制度として、「iDeCo(イデコ)」や「NISA(ニーサ)」があります。どちらも耳にすることが多い制度ですが、詳しい内容を知らないという人もいるのではないでしょうか。今回はiDeCoとNISAの基礎知識や、それぞれの違いについて説明します。

税の優遇措置があるiDeCoと非課税枠があるNISA

まず、iDeCoとNISAのそれぞれの特徴について見てみましょう。

iDeCoとは?

「iDeCo」は、国民年金や厚生年金に上乗せする私的年金の一種である「個人型確定拠出年金」のことです。「個人型確定拠出年金」の英語表記である「individual-type Defined Contribution pension plan」からつけられた愛称です。

毎月一定の掛け金を拠出し、投資信託や定期預金などで自ら運用して積み立てていき、60歳以降に一時金や年金の形で受け取ることができます。利用できる金融商品や、各種手数料の額は金融機関によって異なりますので、金融機関を選ぶ際には注意しましょう。

iDeCoは掛け金の拠出時、運用時、年金受け取り時に税の優遇措置を受けられることが最大の魅力です。

NISA とは?

通常、株式や投資信託などに投資をして配当金や譲渡益などの利益を得た場合は、その利益に対して所得税および復興特別所得税15.315%と住民税5%を合わせた20.315%の税金が課せられます。

NISAとは、「NISA口座」内での取引分に限り、毎年120万円までの投資で得た利益が最長5年間非課税となる、少額投資非課税制度のことです。イギリスのIndividual Savings Account(個人貯蓄口座:略称ISA)という制度を参考にしたもので、NISAは「N」ippon版ISAとしてつけられた愛称です。

ほかに「19歳以下対象」「非課税枠80万円」「非課税期間が最長5年」のジュニアNISAや、「20歳以上対象」「非課税枠40万円」「非課税期間が最長20年」のつみたてNISAがあります。

いずれも期間限定の制度で、NISA口座は2014年~2023年、ジュニアNISA口座は2016年~2023年、つみたてNISA口座は2018年~2037年の間にしか開設できません。その期間内に該当の投資商品を購入した日が属する年から起算して5年目の末まで、あるいは20年目の末までが非課税期間となります。

例えば2019年2月から始めたとすると、NISAとジュニアNISAは2023年12月31日まで、つみたてNISAは2038年12月31日までが非課税期間ということです。非課税期間が終われば、通常の課税処理がされる口座に移されます(※)。

※NISAとジュニアNISAは2018年購入分まではロールオーバー(翌年の非課税枠への繰り越し)の選択ができましたが、2019年2月時点では2019年以降の購入分はできません。

iDeCoとNISAの概要がわかったところで、次に二つの違いを見てみましょう。

iDeCoとつみたてNISAを比較

NISAの中でも、つみたてNISAはiDeCoと同様に長期的に運用する商品であるため、iDeCoとつみたてNISAについて比較してみましょう。

利用資格

iDeCoは2017年の法改正で、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人であれば、原則全員加入が可能となりました。ただし、自営業者など国民年金の第1号被保険者で保険料を納めていない人や、企業年金の加入者である第2号被保険者で、企業型年金規約においてiDeCo加入が認められていない人など一部例外もあります。

つみたてNISAは、日本に住んでいる20歳以上の人ならだれでも利用できます。ただし、一般のNISAとつみたてNISAはどちらか一方を選択して利用することになります。

積立(拠出)可能期間

iDeCoは加入時から原則60歳までですので、仮に加入資格が生じる20歳に加入したとすると、最長40年となります。一方、つみたてNISAは最長20年です。

積立金(掛け金)の額

iDeCoは月5,000円以上、1,000円単位で掛け金を設定できます。ただし、以下のように上限が決まっています。

  • 自営業者は月6万8,000円まで
  • 企業年金がない企業の会社員は月2万3,000円まで
  • 企業型確定拠出年金(企業が掛金を拠出し、従業員が自分で運用する年金制度)のみを実施している企業の会社員は月2万円まで
  • 公務員は月1万2,000円まで
  • 確定給付企業年金(従業員が決められた金額を受け取ることができる年金制度)、厚生年金基金(企業が基金を設立し運用を行う年金制度)、企業型確定拠出年金に加入している企業の会社員は月1万2,000円まで
  • 確定給付企業年金、厚生年金基金にのみ加入している企業の会社員は月1万2,000円まで
  • 専業主婦は月2万3,000円まで

一方つみたてNISAは、どのような人であっても年間の上限が40万円です。

口座からの途中引き出し

iDeCoは原則的に60歳までは口座から引き出すことはできませんが(※)、つみたてNISAはいつでも引き出せます。

※60歳の時点での加入期間が10年未満の場合は、60歳から年金を受給することはできません。1月以上2年未満は65歳から、2年以上4年未満は64歳、4年以上6年未満は63歳、6年以上8年未満は62歳、8年以上10年未満は61歳からとなります。

非課税の対象

iDeCoは、掛け金全額が「所得控除」され、従来運用益に対して課せられる20.315%の税は非課税になります。また、年金を一時金として受け取った場合は「退職所得控除」が、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が受けられます。つみたてNISAは、運用益や配当は非課税になりますが、それ以外の優遇措置はありません。

対象商品

iDeCoの対象商品は、株式や定期預金、投資信託、保険など多岐にわたりますが、金融機関によって提供する金融商品が異なります。つみたてNISAの対象商品は、長期積立に向いていて、リスクの軽減となる分散投資に適していると金融庁が認めた投資信託とETF(上場投資信託)のみです。

iDeCo に向いている人、つみたてNISA に向いている人

iDeCoとつみたてNISAの違いがわかったところで、実際にiDeCoやつみたてNISAに向いているのはどのような人なのでしょうか。

まとまったお金が急に必要になりそうな人には『つみたてNISA』

iDeCoは早くても60歳までお金を受け取ることができません。住宅や自動車の購入など、60歳になるまでにお金が必要になりそうなら、つみたてNISAがよいといえるでしょう。

具体的な目的はなくても、急にまとまったお金が必要になったときのための予備費用として運用する場合も、つみたてNISAはすぐに引き出せるというメリットがあります。

老後の資金を目的とする人には『iDeCo』

老後資金の準備のためなら、iDeCoがよいといえるでしょう。iDeCoは老後資金の準備を目的とした制度で、老後のお金の管理がしやすい「年金」の形で受給できることもポイントです。

リスクをとってでも運用したい人には『iDeCo』

資産運用の経験があって上手に運用する自信がある、多少のリスクを許容しても大きく資産を増やしたいといった人には、金融商品の選択肢が多いiDeCoがよいといえるでしょう。ただし、扱っている金融商品は金融機関により異なりますので、運用する前に確認する必要があります。

リスクを抑えて運用したい人には『つみたてNISA』

リスクは抑えつつある程度は資産を増やしたいといった人には、つみたてNISAがよいといえるでしょう。つみたてNISAは、金融庁が認めた投資信託とETF(上場投資信託)のみが対象商品のため選択肢はあまりありませんが、その分リスクも低くなります。

ここまでiDeCoとつみたてNISAのどちらがよいかという視点で見てきました。もしどちらにも加入資格があれば、「不測の事態があったときに換金しやすいつみたてNISAをしながら、iDeCoで老後資産を形成していく」といった組み合わせで併用することが出来ます。

まとめ

iDeCo もNISAも、税制面で優遇されるとても便利な制度です。それぞれの違いを理解したうえで、自分に合った資産形成を行いましょう。

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