住宅ローンとは異なる不動産投資ローンのメリット・デメリット

不動産投資をする場合には、物件購入のためにローンを組むケースがあります。「不動産投資ローン」は「住宅ローン」と大きく異なるということをご存じでしょうか。今回は、そんな不動産投資ローンと住宅ローンの違い、そして不動産投資ローンを組むときのメリット・デメリットについて解説します。

不動産投資ローンと住宅ローンにはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの違いについて見てみましょう。

ローンの借入目的の違い

一つ目は、ローンの借入目的の違いです。住宅ローンは基本的に「自宅」を購入する際に利用しますが、不動産投資ローンは投資用の物件を購入するときに利用します。つまり、自分が住むわけではない投資用不動産を購入する際は、住宅ローンを利用できないということです。

ローンの返済原資の違い

二つ目は、ローンの返済原資の違いです。返済原資とは、「返済することが可能な資金」のことです。住宅ローンの返済原資は、ロ―ンの契約者の収入から導き出します。つまり、契約者が会社員であれば「給与収入-支出(生活費など)」、個人事業主であれば「事業収入−支出(生活費など)」が返済原資となります。

一方、不動産投資ローンの場合には、購入する物件から生み出される「収益(家賃など)-支出(管理費など)」が返済原資ということになります。

審査内容の違い

三つ目は、審査内容の違いです。住宅ローンと不動産投資ローンは返済原資が異なるため、審査内容が異なります。

共通して審査されるのは、以下のような項目です。

  • 本人の年齢や年収
  • 勤務先や雇用形態、勤続年数
  • 本人の信用情報(延滞歴の有無など)
  • 融資する不動産の担保価値

不動産投資ローンの場合は、さらに物件の収益性も審査対象になります。金融機関の立場で考えれば、収益性の低い物件(空室率や家賃下落率が高くなるリスクの高い物件)に不動産投資ローンの融資をしてしまうと、借入者(物件保有者)の返済原資となる「家賃収入」を継続的に得ることが難しくなり、返済不能になるリスクがあるのです。

融資金利の違い

四つ目は、融資金利の違いです。住宅ローンも不動産投資ローンも、金融機関や借入者によって金利は変わりますが、基本的には不動産投資ローン金利の方が住宅ローン金利よりも高くなるため、注意が必要です。

このように、不動産投資ローンと住宅ローンには、さまざまな違いがあることが分かります。

不動産投資ローンのメリット

ここまで不動産投資ローンと住宅ローンの違いについて見てきましたが、不動産投資ローンには実際にどのようなメリットがあるのか見てみましょう。

レバレッジ効果がある

一つ目は、何といってもレバレッジ効果があるという点です。レバレッジ効果とは「てこの原理」のように小さい資金で大きな金額を活用できることを指します。

つまり、不動産投資ローンにおけるレバレッジ効果とは、「小さい自己資金で高額な投資用不動産のような大きな資産を取得できる」という意味になります。

前述したような審査項目があるため、どのくらいの融資を受けられるかは契約者によって異なりますが、高額な物件(資産)が取得出来ると、多くの収益を得られる可能性が高くなります。この点は、不動産投資ローンの大きなメリットといえるでしょう。

節税効果がある

二つ目は、節税効果があるという点です。不動産投資ローンで発生した利息分は「経費」として計上できます。不動産投資から得られた所得は「年間家賃収入-経費」で計算されるので、不動産投資で得た収入より経費が多くなれば、不動産所得は赤字になります。

赤字となった場合、他の給与所得などの収入と損益通算(不動産所得の赤字を給与所得と合算できる仕組み)できます。

損益通算することで、年間の総所得が少なくなりますから、支払うべき税額も少なくなります。この経費には、固定資産税や管理会社への手数料、修繕費、火災保険など、物件運営にかかった費用などがありますが、この経費のなかにローンの利息も含まれます。

ほかの金融商品、例えば株やFXなどでは損益通算をすることができません。これは不動産投資ローンのメリットといえるでしょう。

生命保険の効果もある

三つ目は、生命保険の効果もあるという点です。不動産投資ローンを組む場合、基本的に団体信用生命保険(団信)に加入します。団信とは、借入者が亡くなったり高度障害になってしまったりしたときに、その時点の残債が補填(ほてん)される生命保険です。

例えば、3,000万円の借入をして、10年後に借入者が亡くなってしまったとします。その時点での残債が2,100万円であれば、2,100万円は団信から補填されます。つまり、残った家族は借金がない(残債ゼロ)の状態で物件を保有できるというわけです。

不動産投資ローンのデメリット

不動産投資ローンはさまざまなメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。

住宅ローンより金利が高い

一つ目は、住宅ローンより金利が高いという点です。不動産投資ローンを利用する際は、収支シミュレーションを正確に行い、返済総額がどのくらいになるか確認しましょう。

審査が厳しい

二つ目は、審査が厳しいという点です。不動産投資ローンは住宅ローンと違い「物件の収益性」も審査項目になります。そのため、ある程度の年収があって、勤務先や雇用形態などに問題がなくても、取得希望している物件の収益性が、返済額に見合わない場合は審査に通らないということもあります。

金融機関を斡旋されるケースが少ない

三つ目は、金融機関を斡旋されるケースが少ない点です。例えば、住宅ローンを組むときは、売主か仲介会社が複数の金融機関を買主に斡旋するのが一般的です。不動産投資ローンの場合にも売主や仲介会社などが斡旋するケースもありますが、住宅ローンほどは多くありません。

不動産投資ローンを商品化している金融機関が限られているということも、理由のひとつでしょう。ただ、不動産会社が売主である不動産の場合は、基本的にローンを焦んしてくれます。

つまり、仲介会社を通じて中古物件を取得すると、融資してくれる金融機関を探すのが大変であり、場合によっては金融機関に出向き担当者と面談するなど、手間がかかることがあるのです。不動産投資ローンを組む場合の難易度は高いと考えて、融資先の選定、相談、資金の把握、物件の条件などの確認などについて、早めに準備を始めることが大切です。

住宅ローンと不動産投資ローンは根本的に異なります。特に、審査項目や金利の違いには注意しておいたほうがよいでしょう。不動産投資ローンを利用する際には、不動産投資ローンのメリットやデメリット、実際の返済額なども理解したうえで利用することが重要です。

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