資産を増やすうえで知っておくべき「複利」と「単利」とは?

「銀行に預けているだけでなかなか増えない資産を、金融商品を使って上手に増やしていきたい」という人もいるでしょう。金融商品には複利と単利という二種類の金利の計算方法があります。この複利と単利とはどのようなものなのでしょうか。今回は、複利と単利の概要や、資産を増やすうえで複利が有利といわれる理由について解説します。

複利と単利の違い

複利と単利とは、金利の計算方法を示す言葉です。資産運用を行う場合、複利・単利どちらのタイプを選ぶかによって、将来の収益が大きく変わってきます。まずは複利と単利の違いについて見てみましょう。

複利とは

複利とは、「元本+金利」に金利が付く計算方法です。元本だけでなく、前年以前に発生した金利に対しても金利が付くため、毎年の金利が増えていくことになります。

複利の商品の例としては、「投資信託」があります。投資信託は、資産運用の専門家が運用をし、分配金という形で収益が配分されます。投資信託には、分配金をそのまま受け取る「毎月分金配受取型」、分配金を受け取らず同じ投資信託に再投資する「分配金再投資型」の2タイプがありますが、「分配金再投資型」の場合は複利の投資信託に該当します。

単利とは

単利とは「元本」だけに金利が付く計算方法です。毎年一定金額の金利が付くことになります。複利と違い、毎年発生した金利に対しての金利は付きません。

単利の商品の例としては、国債があります。国債は日本政府が発行する債券ですので、元本割れのリスクが少ない商品です。定期的に利子を受け取ることができ、満期を迎えると元本が返済されます。

複利効果とは?

複利と単利の違いを一言で説明すると、「発生した利息を、次の利息の計算に含めるか否かの違い」です。当然のことながら、同じ金額を運用した場合でも、年数が経てば経つほど、利息の金額の差が大きくなるのです。

このように、運用で得た利益を再び投資に回す(複利で運用する)ことで利益が利益を生み膨らんでいく効果を「複利効果」と呼びます。

金融商品を使って上手に資産を運用するだけでなく、複利で運用することで、お金がお金を生む循環を作り出すことができます。資産を単利だけで増やすよりも、複利を活用することで、最終的には放置しても資産が増えるような循環を作ることが理想の投資と言えるでしょう。

複利を利用して高い効果を上げるには、金利と期間が重要になってきます。複利の商品に投資する際は、以下のような点に注意しましょう。

金利によって結果が大きく変わる

単利よりも複利のほうが有利とはいえ、金利が低すぎればその効果を十分に受けることができません。複利の商品を選ぶ際には、どのくらいの金利なのかを確認するようにしましょう。

また、金利が高い商品は、元本割れをするリスクを抱えている場合がありますので注意が必要です。

運用期間が短いと効果が薄れる

運用期間が短い場合は、複利の効果を発揮することができません。単利は「足し算的」に増えていきますが、複利は「掛け算的(指数的)」に増えていきます。

複利効果を十分に得るためには、長期間にわたって投資を行う必要があります。もし今すでに投資に回せるほどの余剰資金がある場合は、早めに複利の金融商品に投資することで、効率的に資産を増やせる可能性が高まります。

ただし、長期にわたって運用する場合は、経済状況や金利の変動などにより元本割れすることもありますので注意が必要です。「少額の運用から始めて徐々に運用額を増やしていく」「分散投資をする」といったことを行うことで、元本割れのリスクを抑えることができるでしょう。

複利と単利 効果はどのくらい変わる?

複利と単利を比較した場合、効果はどのように変わってくるのでしょうか。100万円を年利10%で5年間運用した場合を例として見てみましょう。

複利と単利のシミュレーション

複利の場合は、以下のように資産が増えていきます。

  • 1年後 元本100万円+利息(100万円×10%)=110万円
  • 2年後 元本110万円+利息(110万円×10%)=121万円
  • 3年後 元本121万円+利息(121万円×10%)=133万1,000円
  • 4年後 元本133万1,000円+利息(133万1,000円×10%)=146万4,100円
  • 5年後 元本146万4,100円+利息(146万4,100円×10%)=161万510円

一方単利の場合は、以下のように資産が増えていきます。

  • 1年後 元本100万円+利息(100万円×10%)=110万円
  • 2年後 元本110万円+利息(100万円×10%)=120万円
  • 3年後 元本120万円+利息(100万円×10%)=130万円
  • 4年後 元本130万円+利息(100万円×10%)=140万円
  • 5年後 元本140万円+利息(100万円×10%)=150万円

5年後の差額は、1,61万510-150万円=11万510円となり、複利のほうが多くの利益を得られることが分かります。

同じ10%の利息で預けても、複利と単利では5年間でこれだけの差が出ます。これが10年、20年と年数が経つほど、さらに差が大きくなってくるのです。

複利の効果が手軽に分かる「72の法則」

前述のように、シミュレーションを行うと複利の場合にどのくらい資産が増えるかを求めることができます。しかし、「シミュレーションを行うのは面倒である」と感じる人もいるでしょう。

もっと簡単に計算を行う方法として「72の法則」があります。これは、「何年後に資産が約2倍になるのか」を簡単に求めることができる法則です。「72÷金利(複利)」という計算式を利用します。

例えば、前述したように100万円を年利10%で運用する場合について考えてみましょう。この法則を利用すると、「72÷10=7.2」となり、約7年で資産が約2倍になると予想することができます。

さらに、この法則に現在の定期預金の平均金利(0.01%程度)を当てはめてみると、「72÷0.01=7200」となり、資産を2倍にするには約7200年かかることが分かります。複利の力を利用するとしても、預金だけで資産を増やしていくことは難しいと言えるでしょう。

また、この計算式は「72÷お金が2倍になるまでにかかる期間≒金利」と変形することもできます。そのため、「複利で運用して資産を2倍にする場合、どのくらいの金利が必要であるか」を求めることもできるのです。例えば、「資産100万円を15年で2倍に増やしたい」という場合は、「72÷15=4.8」となり、4.8%の金利で運用する必要があるということが分かります。

なお、この法則は、あくまでおおまかな目安を知るための方法です。「複利によってどのくらい資産が増えるのか、できるだけ正確な数値が知りたい」という場合には、前述したようなシミュレーションを行うようにしましょう。

まとめ

複利と単利によって、金融商品は収益が異なってきます。複利の金融商品で、効率的な資産運用をめざしてみてはいかがでしょうか。

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