金融商品とは? 知っておきたい種類やリスク

将来支給される年金がどうなるのか分からない昨今、金融商品を活用して自分の資産は自分で増やしていく時代であると言えるでしょう。世の中にはさまざまな金融商品がありますが、どのような金融商品があるのかを知ることが大切です。そこで今回は、金融商品の概要や種類、リスクについて解説します。

金融商品とは、銀行、保険会社、証券会社などが扱う商品の一部を指します。具体的には、銀行が扱う「預金」や「外貨預金」、証券会社が扱う「株式」「投資信託」、保険会社が扱っている「保険」などが該当します。

金融商品の保有状況

金融広報中央委員会が2018年に行なった「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査]によると、金融資産保有世帯の金融資産保有額は、平均値が1,519 万円、中央値が787 万円でした。金融商品別の構成比のうち上位を占めているものは、預貯金(郵便貯金を含む)が 43.9%、生命保険が22.4%、有価証券(債券・株式・投資信託)が19.2%となっています。

金融商品の中でも、預貯金の保有割合が多いことが分かります。

金融商品のタイプ

金融商品にはさまざまなものがありますが、利息のつき方で分けると「単利」と「複利」の二つのタイプがあります。それぞれ、以下のように利息の計算方法が異なります。

  • 単利…「元本」のみに利息がつく計算方法です
  • 複利…「元本+利息」に利息がつく計算方法です

複利の場合、長期的に上手に運用していけば毎年元本と利息が増えていくため、資産を効率よく増やすことができます。

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金融商品にはさまざまな種類がありますが、ここでは、資産を効率よく増やせる複利の金融商品について紹介します。

積立預金

毎月一定額を積み立てて預金を増やす金融商品です。給料から自動的に天引きされるため、手間がかかりません。ボーナス月には、積立額を増やすことができます。

預金にはもちろん利息が付きますし、次の利息受け取り時には、元本に利息を加味した額に対して計算されるので、複利効果があります。普通預金よりも高い金利が設定されていますが、現在は年0.1%を下回る 超低金利のものもあるため、リターンはあまり多くありません。

また、お金が必要になった場合は中途解約が可能です。解約した場合は手数料が発生し、満期前の解約には本来の金利よりも低い金利が適用されますので、注意しましょう。

投資信託(分配金再投資型)

投資信託は投資家から資金を集め、集めた資金を元に資産運用の専門家(ファンド)が投資家に代わって資産運用する金融商品です。

投資信託の運用によって利益が発生すると、分配金という形で還元されます。投資信託には、分配金をそのまま現金で受け取る「毎月分金配受取型」、分配金を現金で受け取らずに分配金で同じ投資信託に再投資する「分配金再投資型」がありますが、後者の「分配金再投資型」の投資信託は、複利に該当します。

また、投資信託は少額から始めることができ、プロに資産運用を任せるため、人によっては自分で資産運用するよりも高いリターンが期待できます。ただし、運用成績によっては元本を下回ることがありますので、注意が必要です。

株式累積投資

株式累積投資とは、毎月一定額の株式を積み立てて購入していく投資手法です。「るいとう」とも呼ばれています。配当金を得られた場合は、自動的に運用元本に組み込まれるため、複利効果が期待できます。

株式累積投資を利用して株式を購入すれば、配当金や株式分割等により取得する株式は持分株数に応じて配分されることとなります。購入できる銘柄は、取扱証券会社が選定した銘柄のみになり、どの銘柄でも選べるわけではありません。

しかし、株式累積投資を利用すれば、少額の資金で株式を購入できるため、初心者にも始めやすいと言えるでしょう。また、毎月定額で購入していくため、資産運用の計画が立てやすいというメリットもあります。ただし、株価の変動によっては、元本割れする可能性がある点には注意しましょう。

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金融商品には、元本割れするリスクに加えて、以下のようなリスクもあります。しっかりとリスクを理解したうえで資産運用することが大切です。

価格変動リスク

株式市場では、株価は基本的に常に変動します。購入した価格よりも高値で売れるとは限りませんので、価格が下落したときには損失が生じることがあります。また、価格変動には、企業の業績や市場のニーズ、世界の経済状況などさまざまな要因があります。

市場のニーズを捉えて未来を予測しても、予測どおりに株価が動くとは限りません。株に限りませんが、投資には「絶対」というものはありませんので、無理のない投資を心掛けましょう。

為替リスク

ドルなどの外貨建て資産を保有している場合、為替相場の下落により、損失を被ることがあります。例えば、1ドル120円の為替相場で100ドルを購入し、1か月後に1ドル110円で100ドルを売却した場合は、以下のように1,000円の損失が出ることになります。

  • 購入にかかった金額:120円×100ドル=12,000円
  • 売却して得られた金額:110円×100ドル=11,000円
  • 購入額と売却額の差:11,000円-12,000円=-1,000円

もちろん逆のパターンで、為替相場によって利益を得られることもあります。すべての資産を外貨建てにするとリスクが大きくなりますが、資産の一部を外貨建てで形成するのであれば、リスクを抑えることもできるでしょう。

信用リスク

金融商品のひとつに、「社債」があります。これは、企業が必要な資金を調達するために発行する「債券」のことです。社債を購入することで、企業にお金を「貸す」こととなりますから、償還期限を迎えれば利息付きで元本が戻ってきます。

社債を発行している企業が財政難、経営不振などを理由に元本割れを起こす危険性を「信用リスク」と呼びます。もし、社債を発行している企業が経営不振などに陥り倒産すると予想された場合は、社債の価格が大幅に下落することがあります。企業が倒産すると、元本が戻らない可能性もあります。

重要なのは、投資先の企業の信用力です。経営内容や財務状況をしっかりと確認し、できるかぎり財務状況が健全な企業に投資することが、信用リスクを減らす方法と言えるでしょう。

金融商品のリスクに対応するには、以下のようなことを行なうとよいでしょう。

さまざまな観点から金融商品を選ぶ

金融商品にはリスクがつきものですが、対策として、「安全性」「流動性」「収益性」という三つの要素を確認することが大切です。

安全性

金融商品における「安全性」とは元本や利子の支払いの確実性を示すものです。通常、金融商品の場合、「ローリスク・ローリターン」や「ハイリスク・ハイリターン」という言葉のとおり、安全性が高い商品は収益性が低く、安全性が低い商品ほど収益性が高くなります。例えば、銀行預金は「ペイオフ」という制度により元本1,000万円とその利子等については金融機関が倒産したとしても保証されますが、金利はとても低くなっています。

一方、仮想通貨のような価格変動の大きな金融商品に投資すると、うまくいけば大きなリターンが得られますが、失敗したときの損失も大きくなってしまいます。

初心者の場合は、国が破綻しない限り元本保証され、銀行預金よりも高い利息が得られる国債のような金融商品を購入することをおすすめします。

 

流動性

金融商品における「流動性」は、換金しやすいかどうかを表す指標です。商品によって、途中で換金する場合は手数料が発生したり、日数がかかったりするなど、現金化したり引き出したりする際の条件は異なります。例えば、株式投資の場合、上場株式は平日15時までの間で誰でも取引できる状態になっているため、流動性が高いといえます。また、同じ上場企業であっても、東証一部上場なのかマザーズ上場なのかによって、1日の取引量が異なり、取引量の多い銘柄ほど流動性は高くなります。一方、同じ株式でも未上場株式は簡単に売買することができないため、流動性の低い金融商品に該当します。

その他、手持ちの現金やタンス預金、銀行預金等は流動性が高いといえるでしょう。一方で、原則60歳まで引き出すことができない個人型確定拠出年金(iDeCo)などは、流動性が低いといえます。

このように金融商品の種類によって流動性は異なります。初心者の場合は、お金が必要になったときに換金できるように、流動性が高い金融商品を選ぶとよいでしょう。

収益性

金融商品において「収益性」は、文字通り将来期待できる収益の度合いを示します。金融商品の収益性は「利回り」という言葉で表現しますが、利回りとは投資元本に対して1年間でいくらの収益を得られるかを表すものです。例えば1,000万円投資して年間で100万円のリターンがあるのであれば、利回りは10%となります。

通常、高利回りの金融商品ほど安全性と流動性は低くなります。流動性と安全性が同程度であれば、利回りの高い方が、金融商品としての価値は高まります。例えば、預金の場合、定期預金の方が普通預金より流動性が低い分、利回りは高くなっています。また、一般的に株式や投資信託などの金融商品は、預金に比べると高い利回りを期待できますが、市場の動きによっては元本割れするリスクがあり、安全性が劣ります。

どの程度のリスクを受け入れて、どの程度の利益を得たいかのバランスを見ながら、投資を検討している金融商品の一覧を作成し比較していくとよいでしょう。

投資手法を工夫する

金融商品を購入して投資を行う場合、資産増加につながる可能性がある一方で、元本割れするリスクもあります。経験や知識が少ないほど、投資資金を失うリスクも高まるでしょう。ただし、投資にはいくつかの方法があるため、自分の資産状況に合わせた手法で投資を行なえば、金融商品のリスク回避につながることもあります。以下のような投資手法によって、リスク軽減を目指しましょう。

少額投資

少ない金額から投資を始めることを「少額投資」と呼びます。例えば、積立投資や、ETF投資、FXなどがあります。

積立投資は数百円からでも始められる投資方法で、投資信託や株式累積投資などのように、毎月一定額を積み立てて、資産を増やしていく方法です。

ETF投資は、英語表記のため分かりづらく感じますが、「上場投資信託」のことです。投資家から得た資金を一つに集めその資金を使って運用会社が株や債券などに投資・運用を行い、得た利益を投資家に還元する金融商品です。上場株式と同じように証券会社を通じて購入できます。ETF投資は銘柄によっては数百円からでも始めることができます。

また、FXは預けたお金の最大25倍まで投資ができるため、例えば1万円から始めると25万円まで投資することができます。とはいえ、FXに関しては元本以上のお金をかけると、多額の損失が発生する場合があります。初心者のうちは、元本以上の投資をしない方がいいでしょう。

分散投資

「分散投資」は、資産を不動産や債券、株式、金など複数に分けたり、地域を日本やアメリカなどに分けたりして投資する手法です。例えば、一つの銘柄に投資した場合、もしその銘柄の価格が大幅に下がると、元本割れするリスクがあります。複数の銘柄に投資していれば、一部の銘柄の価格が下がっても、他の銘柄の価格が上昇すれば、損失分を埋めることができます。

分散投資は投資の基本ともいえる考え方です。投資のプロが運用する投資信託では、株式、不動産などジャンルの違いや、日本と海外などエリアの違いごとに、それぞれ何%ずつ投資しているかといったデータを確認することができます。個人の投資においても、この分散投資を取り入れて、なるべく複数の異なる分野に投資することを目指しましょう。

長期投資

投資リスクを回避するには、長期的に投資を続ける「長期投資」も重要です。株式のように価格が変動する金融商品は、短期間の売買の場合に価格の変動によって大きな収益が出ることもあれば、損失が出ることもあります。しかし、10年、20年と長期で保有すれば、一時的に下がっても再び上昇することもあるため、長く保有するほど、収益の安定にもつながりやすくなります。さらに、複利型の金融商品の場合、長期の運用によって利益を多く得ることができます。

これからは、預金だけに頼るのではなく金融商品を活用して資産を増やしていくことが必要な時代です。金融商品にはさまざまな種類がありますので、リスクについても理解したうえで、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

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