国債とは? 種類やメリット・デメリットをご紹介

個人が購入できる投資商品のなかに国債があります。国債という言葉を聞いたことはあっても、詳細について知らないという人がいるのではないでしょうか。そこで今回は、国債の仕組みや種類、メリット・デメリットについて解説します。

まずは、国債についての基本的な概要や仕組みを確認していきましょう。

国債とは、「債券」の1つです。債券にはいろいろなものがあります。企業が資金調達を目的に発行するものは社債と呼び、国(日本銀行)が発行する国庫債券のことを国債と呼びます。英語では「government bond」と表現されます。

証券会社や銀行から購入する

個人が国債を購入する場合、国から直接買うのではなく、証券会社や銀行から購入します。国による国債発行時には、銀行や証券会社などの金融機関が入札により日銀から国債を購入し、機関投資家や個人の投資家に販売するのです。

満期になると元本が償還される

国債は、発行時に満期が設定されています。満期を迎えると、元本が償還されます。国債の種類によっては、償還されるまで、定期的に利息をもらえるものがあります。

国債を買うということは、国にお金を貸すということです。「元本が償還される」というのは少し分かりにくいかもしれませんが、「国に貸したお金を返してもらう」と考えると、イメージしやすいでしょう。

長期金利に影響する

貸出期間が1年を超える資金の金利を「長期金利」と呼びます。満期が10年の国債(長期国債)の利回りが、長期金利の指標とされています。

格付けされる

国債は、三大格付け機関といわれるアメリカのスタンダード&プアーズ(S&P)およびムーディーズ・インベスターズ・サービス、欧米系のフィッチ・レーティングスにより格付けされます。

国債の格付けが下がると、国債の安全性について不安が広がり、ニュースになることがあります。また、国債を大量に保有している金融機関の場合、経営に大きく影響するおそれがあります。

元本割れのリスクが少ない

国債は、国が発行する債券です。国が破綻したり、途中で売却したりしない限り元本割れすることはありません。

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国債にはさまざまな種類があります。生命保険会社や信託銀行などの機関投資家向けに販売されている国債もありますが、ここでは個人向けのものについて見てみましょう。

利付国債

利付国債とは半年に1回利息が支払われる国債で、利息が付くために「利付国債」という名前が付けられています。決まった額の利子が支払われる固定利付型と、利子の額が変動する変動利付型があります。国債の発行時には満期が設定されていますが、それぞれ以下のように期間が異なります。

  • 固定利付型:いつでも中途換金できる「固定利付国債」は満期が2年・5年・10年・20年・30年・40年、発行後1年間は中途換金できない「固定型個人向け国債」は満期が3年・5年
  • 変動利付型:いつでも中途換金できる「変動利付国債」は満期が15年、発行後1年間は中途換金できない「変動型個人向け国債」および物価により元本が変動する「物価連動国債」は満期が10年

割引国債

割引国債とは、利付国債のように半年に1回の利息が支払われない代わりに、額面金額から利息に相当する分を差し引いた価格で発行される国債です。国債において、利息のことをクーポンと呼びますが、クーポンが付かない債券として割引国債のことを「ゼロクーポン債」と呼ぶこともあります。

なお、割引国債は過去に3年債や5年債が発行されていましたが、3年債は2002年に、5年債は2000年に発行が打ち切られました。現在は、割引国債として、満期が1年以内となっている国庫短期証券が発行されています。

個人向け国債

個人向け国債は、機関投資家などが購入できない個人投資家限定の国債で、保有途中での解約が認められているといったメリットがあります。「固定3年」「固定5年」「変動10年」の三つのタイプから選ぶことができます。

新窓販国債

新窓販国債は個人も機関投資家も購入できる国債で、途中解約は認められていないものの市場への売却が可能で、売却のタイミングによっては元本割れする可能性もあります。こちらも三つのタイプが用意されていますが、金利タイプは固定のみで、「2年固定」「5年固定」「10年固定」となっています。

10年物価連動国債

機関投資家向けに発行されていた「10年物価連動国債」が2015年から個人投資家でも購入できるようになりました。この国債は発行時に利率は確定しているものの、「物価に連動して」元本が変わります。物価が上昇すれば受け取れる利息や元本も増加するのに加え、元本が保証されています。

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国債にはさまざまな種類があることが分かりましたが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれについて確認しておきましょう。

メリット

国債のメリットとして以下の三つが挙げられます。

元本割れリスクが少ない

国債は発行時に利息と満期が設定され、満期には額面価格分のお金の償還を受け取ることができます。国が破綻したり、途中で売却したりしなければ元本を割り込むことはありません。

ほかに元本保証される金融商品としては、銀行への預金があります。銀行へ預金した場合は、ペイオフにより1口座につき1,000万円まで補償されます。国債には、このペイオフのような上限がないため、1,000万円を超えるお金を運用する場合は、預金よりも安全に運用できます。もちろん、預金以外の株式や投資信託といった金融商品と比べても、安全性の高い金融商品として考えることができるでしょう。

預金より金利が高い

例えば2019年3月15日に発行された個人向け国債(変動10年)の利息は0.05%です。銀行の定期預金の平均金利が0.01%程度であることに比べると、国債の金利は高いと言えます。

少額から投資できる

金融商品のなかには、株式投資のように数十万円〜数百万円のまとまった資金が必要なものがあります。しかし、個人向け国債であれば1万円単位で少額投資することもできます。

デメリット

一方、国債のデメリットには以下のようなものがあります。

ほかの金融商品と比べると金利は低い

前述のとおり2019年3月15日に発行された個人向け国債(変動10年)の利息は0.05%です。これは株式投資や投資信託、不動産投資などの金利と比べると低いと言えます。

購入期間が決まっている

国債はそれぞれ購入期間(募集期間)が決められています。例えば、2019年2月時点で購入できる個人向け国債は3月15日の発行分で、その募集期間は2019年2月7日〜28日でした。このように募集期間は決まっていますが、募集期間は3週間程度あるため、募集予定をきちんと確認していれば計画的に購入できます。

中途解約がしづらい

個人向け国債は発行から1年以内は中途解約できない制度になっているため、購入した後にすぐにお金が必要になっても1年間待つ必要があります。また、中途解約時には利子相当額の内の一定割合が差し引かれる点にも注意が必要です。

国債を実際に購入する際は、以下のような流れで手続きを進めましょう。

1. 取扱いのある金融機関等で口座開設

近所の金融機関やネット証券など、国債を取り扱っている金融機関等で口座を開設します。一方、ネット証券であれば自宅にいながら手軽に口座を開設することができます。

また、金融機関によってはキャッシュバックキャンペーンを実施しているケースもあるので、各々の条件を比較しながら口座開設する金融機関を決めるとよいでしょう。

口座開設には、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーの確認ができる書類など)、印鑑が必要です。

2. 開設した口座に入金する

口座開設申請後、無事申請が通り、口座が開設されたら、開設された口座に国債を購入するのに必要なお金を入金します。

3. 窓口もしくはネットから国債購入・申込みをする

開設した口座に入金したら、金融機関の窓口かネットより、国債購入もしくはその申込みをしましょう。

なお、国債はいつでも買えるわけではなく、募集している期間内に限り購入可能です。財務省のホームページで国債の発行スケジュールを閲覧できますので、確認しておきましょう。

国債には、以下のように税金がかかります。

利子に対する税金

国債は利子を受け取るときに20.315%の税金が課されます。これは、源泉徴収されるため、特別に手続きをする必要はありません。

途中解約や売却すると税金はどうなる?

国債購入後、途中解約や売却した場合、国債の種類によって税金の扱いが異なります。具体的には、以下のようになります。

個人向け国債では売却益がでないため税金がかからない

個人向け国債は所有期間中、途中で売却することが可能ですが、中途換金したときに売却益が出ることはないため、課税されることはありません。

ちなみに、個人向け国債を中途換金すると、中途換金調整額として、2回分の利子相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれることになります。

利付国債は申告分離課税で損益通算可能

利付国債は、個人向け国債と同様、利子に対しても、譲渡益に対しても利益が生じると20.315%の税金を納める必要があります。

利子については利払い時に源泉徴収されますが、売却して損失が出た場合には確定申告時に利子で支払った税金から損失分について還付を受けることができます。

割引国債は譲渡所得として申告分離課税

割引国債は、満期まで保有して償還を受けた際に、利益が生じている場合にはその利益分について20.315%の税金が源泉徴収されます。

一方、償還前に売却し、利益が生じた場合には、「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」として確定申告して納税する必要があります。

国債にはさまざま種類があります。ほかの金融資産と比べると、国債は安全性が高いと言えるでしょう。投資にチャレンジしてみたいという方は、第一歩として国債を検討してみてはいかがでしょうか。

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