個人投資家でもできる「オルタナティブ投資」とは

投資にはさまざまなものがありますが、そのなかに「オルタナティブ投資」というものがあります。あまり聞き慣れない言葉ですが、どのような投資なのでしょうか。今回は、オルタナティブ投資の種類やメリット・デメリットなどについて解説します。

オルタナティブ投資とは

まずは、オルタナティブ投資の意味や、注目度が高まっている背景を見てみましょう。

オルタナティブとは、直訳すると「代わりの」「新しい」といった意味を指します。従来の伝統的な資産とされる株式や債券に代わり、それ以外の新しい投資対象で利益を狙うことを、オルタナティブ投資と呼びます。

従来、株式と債券の値動きは相関性が低いと言われてきました。しかし、近年は世界同時株安や、株高と債券高が同時に起こるなど、株式と債券への投資に関して分散投資が有効に働かないケースが出てきました。つまり、伝統的な資産だけではリスクヘッジに限界がきていると言えるでしょう。このような背景があり、オルタナティブ投資が注目されるようになってきたのです。

オルタナティブ投資の種類

では、オルタナティブ投資と呼ばれるもののなかには、どのような種類があるのでしょうか。ここではオルタナティブ投資の代表的なものを紹介します。

不動産投資

オルタナティブ投資のなかでも、身近な投資対象と言えるのが不動産でしょう。不動産投資と一口にいっても、アパートやマンションなどの現物不動産に直接投資する方法だけではありません。複数の投資家が少額ずつ出資して現物不動産へ投資する不動産小口化商品、株式市場に上場している不動産投資信託「REIT」などがあり、自分に合ったものを選ぶことができます。

コモディティ投資

コモディティとは「商品」という意味です。商品先物市場で取引されている原油・天然ガス・ガソリンなどのエネルギー、金・銀・プラチナなどの貴金属、アルミニウムや銅などの産業用メタル、とうもろこしや小麦などの農産物、乳製品・肉・卵などの畜産物といった商品に投資することを「コモディティ投資」と呼びます。

最近では、コモディティを投資対象とした投資信託も登場しています。

インフラ投資

インフラ投資とは、経済や社会が機能するために欠かせない施設やサービスなどへ投資することです。道路・鉄道・空港・発電所といった企業の生産活動に関わるものを「経済的インフラ」、学校や病院、刑務所など公的サービスを提供するものを「社会的インフラ」と呼びます。

投資方法としては、インフラ施設に直接投資する方法や、インフラ関連の株式や投資信託へ投資する方法などがあります。

ヘッジファンド投資

ヘッジとは、投資においてリスクを軽減することを意味します。ヘッジファンドとは、リスクを軽減しつつもさまざまな取引手法で利益を狙う運用商品です。

ヘッジファンドは、機関投資家や富裕層といった限られた投資家しか出資できないものが多いという特徴があります。個人投資家がヘッジファンドへ投資するには、ヘッジファンドを投資対象とした投資信託や、ヘッジファンドと同じ仕組みで運用する投資信託を買うといった方法があります。

未公開株式投資

未公開株式とは未上場会社の株式のことを指し、プライベート・エクイティとも呼ばれるものです。未公開株式は株式の一種ですが、従来は投資対象とされていなかったことから、オルタナティブ投資に分類されます。

未公開株式に直接投資できる場合もありますが、通常はプライベート・エクイティ・ファンドに投資をします。ベンチャー企業へ投資するものや、経営不振の企業の再生を促すものなど、さまざまなタイプのファンドが存在しています。

ここで紹介したもの以外にも、オルタナティブ投資にはたくさんの種類があります。昨今話題になっている仮想通貨もオルタナティブ投資の対象になりつつあり、種類は今後も増え続けるでしょう。

オルタナティブ投資のメリット・デメリット

オルタナティブ投資にはメリットだけでなくデメリットもあります。オルタナティブ投資で失敗しないために、メリットとデメリットをしっかりと理解しておきましょう。

オルタナティブ投資のメリット

オルタナティブ投資のメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

市場の変動に左右されにくい

オルタナティブ投資は、市場の低迷や混乱があっても影響を受けにくいのが特徴です。株式や債券とは異なる値動きをすることから、株式・債券のリスクヘッジとしても有効です。

また、株価が低迷しているときには、株式を買うのではなく、利益を出すために「空売り」という方法を使って利益を狙うことができます。これは、「証券会社から10万円分の株を借りて市場で売り、株価が12万円になったときに借りた分の株式を購入して(買い戻して)証券会社に返す」という方法で、オルタナティブ投資に含まれます。

リスクを抑えることができる

いくつか種類をご紹介したように、オルタナティブ投資には多種多様な投資先があります。特徴が大きく異なる資産を選ぶことができるため効果的な分散投資が可能になり、リスクを低減することができます。

オルタナティブ投資のデメリット

さまざまなメリットがあるオルタナティブ投資ですが、以下のようなデメリットもあります。

流動性が低い(売買しづらい)ものもある

オルタナティブ投資のなかには、不特定多数の投資家に広く募集をかける「公募」ではなく、50人未満の投資家に対して募集をかける「私募」のものもあります。私募の場合、対象者が少ないため、売ろうとしても買い手が現れず「売りたいときに売れない」「希望しているよりも安い価格でしか売れない」といったことが起こる可能性があります。

複雑な商品が多く、収益構造が分かりにくい

オルタナティブ投資をするときは高度な取引手法や理論をもとに、工夫しながら利益を得ようとします。そのため仕組みが複雑なことが多く、理解しきれなかったり、値動きの理由が分かりにくかったりする場合もあります。中には十分な情報が開示されていないものもあるため、投資をする際は注意が必要です。

手数料が高い

オルタナティブ投資は株式や債券と比べると売買手数料が高かったり、投資信託なら運用手数料もかかったりと、取引にかかるコストが高い傾向にあります。手数料は利益から差し引かれてしまうことになるので、決して無視はできません。期待できる利益に対して手数料がかかりすぎてないか、見極めることが大切です。

初めに大きな元手が必要

オルタナティブ投資は大口の投資家を対象としたものが多く、基本的には始めるにあたって大きな元手が必要になります。投資をしたいと思うものを見つけても、資金面で条件を満たせていない場合もあるでしょう。しかし、最近では投資信託や小口化商品も増えてきました。少額からでもオルタナティブ投資ができるようになり、個人投資家でも始めやすくなってきています。

まとめ

オルタナティブ投資にはさまざまな種類があります。リスクヘッジの効果があり、利益を得る機会も多いといったメリットがありますが、デメリットがあることも忘れないようにしましょう。仕組みが複雑な投資対象もあるため、オルタナティブ投資を行う際は慎重に検討することが重要です。

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