仕組預金とは? 金利や種類を理解して上手に活用しよう

定期預金の金利が低い現代では、預金ではなく投資による資産運用を検討している人もいるのではないでしょうか。投資商品にはさまざまなものがありますが、そのなかのひとつとして「仕組預金」があります。今回は、この仕組預金について、通常の預金との違いやメリット・デメリットとあわせて解説します。

仕組預金とは、投資した資産の収益向上や、リスクの軽減などを目的とした運用手法のデリバティブ取引を組み込んだ預金商品の総称で、銀行側が満期の時期や受け取る通貨の種類を決める権利を持つ代わりに、定期預金よりも高い金利を提供する金融商品です。

将来売買する商品の売買条件をあらかじめ決めておく先物取引も、デリバティブ取引の一種です。ほかにも将来商品を売買する権利をあらかじめ購入するオプション取引や、通貨をあらかじめ約束した条件で交換するスワップ取引があります。

デリバティブ取引は、原資産の取引より少ない投資金額で大きな取引ができるので、利益は大きくなりますが、損失するリスクもあるため、注意が必要です。

仕組預金とは、このデリバティブ取引の仕組みを利用した預金商品ですので、将来の金利相場や為替相場で得をする場合もあれば、損をする可能性もある金融商品です。「預金」と名が付いているため、通常の預金のようなイメージがあるかもしれませんが、デリバティブ取引を組み込んでいる分、リスクがありリターン(金利)が通常の預金より高くなっています。

仕組預金は、通常の預金や定期預金と違う点がいくつかあります。両者の違いを理解してから投資するかどうかを判断しましょう。

中途解約できない

通常の預金や定期預金と違い、仕組預金は原則中途解約できません。やむを得ず中途解約を行う場合は、解約に関する費用を負担する必要があるため、元本割れすることがあります。そのため、投資に回せる余裕のある資金を預けたほうがよいでしょう。

募集期間中に申し込む必要あり

普通預金や定期預金は、申し込みをすれば、いつでも預けることができます。しかし、仕組預金は各金融機関の募集期間中に申し込まないと、利用できません。募集期間は商品ごとに異なるため、検討中の仕組預金がある場合にはその募集期間を確認しておきましょう。

預入時点において、「預入期間」「満期時の受取通貨の種類」が約束されていない

定期預金の場合は、預ける期間を預金者側が決めることができ、中途解約も可能です。しかし、仕組預金では預入時点において、預け入れる期間が定まっていません。

また、仕組預金の種類によっては、満期で受け取る通貨の種類が約束されていないものもあります。預けるときには円で預けても、受け取りは外貨で戻ってくる場合があるということです。

790_01_仕組預金の種類.jpg

仕組預金には、大きく分けて満期特約型と外貨投資型の2種類があります。それぞれの違いを理解し、自分に合った商品を選びましょう。

定期預金の「満期」をいつにするかを銀行側が選べる商品です。「マルチコーラブル預金」とも呼ばれています。銀行側が満期時期を決めることができる代わりに高い金利を提供するという金融商品ですので、預金者側は満期時期を決めることはできません。満期まで保有していれば元本が保証されます。

商品ごとに満期時期が異なるため、何年後から受け取りができるのか把握しておく必要があります。また、「自分の資金を最長何年預けることができるのか」を考えておくとよいでしょう。

金利に関しては、金利が毎年一定の「フラット型」と、金利が年々上昇する「ステップアップ型」があります。1年目の金利は、フラット型のほうがステップアップ型の金利よりも高く設定されているため、短い期間で満期時期になると予測されるのであれば、フラット型の金利が有利になります。

しかし、満期時期が長くなると予想される場合であれば、金利が年々上昇するステップアップ型のほうが有利になります。どちらにするかは、市場金利の動向や、過去の実績を確認しながら判断するとよいでしょう。

外貨投資型は、満期時に受け取る「通貨」の種類を銀行側が決められる商品です。つまり「円」もしくは「外貨」で預けたものが、どの種類の「通貨」で戻ってくるか分かりません。例えば円で預けたものがドルで戻ってくることもありますし、ドルで預けたものが円で戻ってくることもあります。

どの種類の通貨で戻ってくるかは、銀行側に選択権(元本通貨の選択権)があります。銀行の判断で満期時に払い戻される通貨が変えられてしまう代わりに金利が高く設定されています。外貨で元本を受け取れば、為替レートの変動により元本割れが生じる「為替リスク」が発生しますが、預ける期間が短い場合が多く、かつ金利が高い点が魅力的な商品といえます。

747_02_国債のメリット・デメリット.jpg

仕組預金にはメリットもあればデメリットもあります。メリット・デメリットを知ったうえで、生活に支障のないように運用することが大切です。

仕組預金のメリット

満期特約型は、「中途解約しなければ元本が保証される」「普通預金よりも金利が高い」といったメリットがあります。さらに、外貨投資型であれば、外貨定期預金や満期特約型よりも金利が高く設定されています。

この金利が高いという点は、仕組預金の大きなメリットと言えるでしょう。

仕組預金のデメリット

基本的に中途解約ができず、無理に解約すると大きく元本割れするリスクがあることが仕組預金のデメリットです。そして、仕組預金の商品には、金融機関が破綻した際に預けていた金額のうち「1,000万円とその利息等」が保証される「ペイオフ」の対象外になるものがあります。そのため、結婚資金や教育資金といった特定の目的を持った資金は仕組預金には向いていないと言えるでしょう。

また、仕組預金をスタートさせてから、市場の金利が上昇することも考えられます。その場合、仕組預金の開始時の低い金利のまま銀行に預けることになるという点もデメリットになります。

さらに、外貨投資型の場合、為替リスクがありますので、注意が必要です。

仕組預金には、以下のような商品があります。商品によっては、申し込みができる期間が決まっているものもありますので、必ずホームページなどで確認するようにしましょう。

外貨仕組預金 プレーオフ

「外貨仕組預金 プレーオフ」は、外貨で預入を行い、外貨で元本と利息を受け取る預金です。外貨定期預金よりも金利が高いことが特徴で、利息は満期日まで毎年受け取ることができます。ペイオフの対象外です。

また、金利のタイプは、全期間の金利が一定で預入期間が短いと有利な「フラット型」か、預入期間が延長されるごとに金利が上がる「ステップアップ型」を選べます。通貨については、米ドル・豪ドルで預入が可能です。

さらに、最短1年~最長5年と、毎年市場金利の状況によって満期を迎えるか、もう1年預入期間を延長するかが判定されます。ただし、原則として中途解約ができず、預入期間を選ぶことはできません。

円仕組預金 コイントス

「円仕組預金 コイントス」は、10万円から始められる元本通貨変動型の円預金です。ペイオフの対象ですが、特約の実行により、満期日に元本を特約通貨に交換し、外貨普通預金に振替えた場合には、ペイオフの対象外となります。

預入は円ですが、満期時の受取通貨は特約によって円または外貨となり、満期時の元本通貨が変動する預金商品です。募集時に設定された特約判定日の為替レートが、特約レートより円安の場合は元本が円での受け取りとなり、円高であれば外貨での受け取りとなります。

ただし利息は円での受け取りです。預入期間は1か月満期の短期で、10万円から始められるのが特徴ですが、預金元本の払い戻し通貨の決定権を住信SBIネット銀行に付与することになります。

スイッチ円定期預金

「スイッチ円定期預金」は、預入期間が1か月の円仕組預金です。ペイオフの対象ですが、元本が外貨で払戻しとなった場合は、ペイオフの対象外となります。預入は円で行い、元本分は円もしくは外貨での払い戻し、利息は円での受け取りとなります。円、外貨の払い戻しは特約レートと特約判定日の実勢為替レートを比較して決定されるため、自分では選択できません。実勢為替レートが特約レートより円安か同値になった場合は円、円高となった場合は外貨での払い戻しとなります。

「スイッチ円定期預金」は、通常の円定期預金より高い金利が設定されています。ただし、将来の為替レート次第で元本が外貨で払い戻しとなる可能性がある特約がついています。また、中途解約ができないことも注意が必要です。

ステップアップ定期預金

「ステップアップ定期預金」は、満期日まで預入をすれば、元本保証も期待できる円仕組預金です。ペイオフの対象です。ただし、満期繰り上げの権利をじぶん銀行に付与する仕組みとなっています。満期日が来ると、預入金額と利息が受け取れます。

「ステップアップ定期預金」には、預入期間が異なる「ステップアップ定期預金10年」と「ステップアップ定期預金6年」の2つが用意されています。ただし、「ステップアップ定期預金10年」は、預入期間が10年ですが、じぶん銀行が、特約により満期繰り上げを決定した場合には5年後の繰り上げ満期日まで短縮されます。また、預け入れは10万円以上10万円単位で、払い戻しは満期日に円普通預金口座への入金となります。金利は募集開始時点で決定され、普通預金金利が適用されます。

この商品も中途解約ができないため、注意が必要です。やむを得ず中途解約する場合は、預入から解約までの経過利息が受け取れないのに加え、大幅に元本割れする可能性もあります。

パワーステップアップ預金2

「パワーステップアップ預金2」は、満期まで持っていれば元本保証される円仕組預金です。ペイオフの対象です。預入金額は、1口300万円以上1円単位(インターネットから申し込む場合は1口30万円以上1円単位)となっています。

預入期間は10年(最短3年)で、6年後以降は金利が段階的にステップアップし、利息を受け取ることができます。ただし、3年後以降は毎年満期日繰上判定日(原則各利払い日の10営業日前)に、市場金利等の状況によって満期日を繰り上げるかが判断されます。満期日が繰り上がった場合、繰り上げ直後に到来する利払い日に元利金が普通預金に入金され、それ以降の利息は受け取れません。

また、自分で預入期間を選ぶことはできませんが、最初の3年間は新生銀行の通常の円定期預金(3年)より高い金利が受け取ることができます。

この商品も原則として中途解約はできません。もし中途解約する場合は、元本割れするリスクがあることを頭において預入を検討しましょう。

パワーステップアップ外貨定期2

「パワーステップアップ外貨定期2」は預入期間5年(最短1年)の仕組預金です。預入通貨は米ドル、豪ドル、NZドルから選択できます。ペイオフの対象外です。

満期まで運用すると預入通貨によって元本保証がされることと、満期まで1年後以降、毎年利息を預入通貨で受け取れることが特徴です。金利は5年まで毎年上がる設定となっています。

ただし、それぞれ1年後以降、1年ごとに新生銀行の判断によって、満期日の繰り上げがなされる可能性があるため、最短で預け入れから1年後に満期になる場合もあります。繰り上げについては、毎年判定日(各利払い日の10営業日前)に市場金利などを鑑みて新生銀行により判定されます。

また、この商品も原則中途解約ができません。やむを得ず中途解約する場合、損害金の負担が発生し、元本割れするリスクがあります。さらに、為替レートの変動によっては、円からの預入、もしくは外貨を円貨に交換した場合に、元本割れする可能性があります。為替レートの変動がなかった場合も、為替手数料を含んだ新生銀行所定の為替レートが適用されるため、受取時の円が元本割れすることもありますので、注意が必要です。

仕組預金は、定期預金よりも高い金利が期待できますが、商品によっては元本割れするリスクもあります。また、さまざまな種類があり、それぞれ特性が異なります。仕組預金のリスクや特性を把握したうえで、検討してみてはいかがでしょうか。

関連記事