分散投資とは? メリット・デメリットや具体例を紹介

投資にはさまざまな方法がありますが、そのひとつに「分散投資」があります。分散投資とはどのような投資方法で、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。今回は分散投資について具体例を挙げて解説します。

分散投資とは

分散投資とは、投資対象を分散し多様化させることにより、投資に伴うさまざまなリスクを低減させる投資方法です。

投資に関する有名な格言に、「卵を1つのかごに盛るな」というものがあります。もし、複数の卵を持っていた場合、すべての卵を1つのかごに盛ってしまうと、かごを落とした時には多くの卵が割れるため、損失が大きくなります。複数のかごに卵を分散して盛っておけば、1つのかごを落としても、卵が割れる数を抑えることができるからです。

例えば、投資に回すことができる資金をすべて株式に集中して投資した場合、予想どおりに株価が上昇し利益が出れば問題ありませんが、予想に反して株価が下落してしまうと損失が発生します。このように、一度に大きな損失を被るリスクを避けるために、分散投資が利用されているのです。

さまざまな分散方法

分散投資をするうえでは、「投資の対象をどのように決めるか」が大切です。投資先を増やしたものの、同じような値動きをするものばかりであれば、分散投資の目的であるリスク低減にはつながらないでしょう。さまざまな観点から分散投資を行う対象を選定し、価格変動のリスクを最小限に抑えることが大切です。

では、分散投資を行う際に、どのような分散方法があるのかを見ていきましょう。

投資する国を分散する

日本だけでなく、海外も視野に入れて投資対象の国を分散します。もし日本経済が不況に陥ったとしても、外国では好景気な場合もあるでしょう。投資対象として海外も視野に入れることで、国そのものが不安定になったときのリスク分散につながります。

通貨を分散する

円だけでなく、米ドル、ユーロなどさまざまな通貨へ分散投資します。財務省によると、日本国の借金である国債の残高は、平成30年度末で883兆円が見込まれています。これは税収の約15年分にあたります。円ですべての資産を持っている場合、日本が破綻すると円が紙くずになる可能性もあるのです。グローバルな視野を持ち、それぞれの通貨のバランスを考えて投資を検討するとよいでしょう。

投資時期を分散する

例えば、1,000万円手元にあった際、一度にすべてを投資するのではなく、時期を変えて投資することで、「高いときに買って安いときに売ってしまう」といった価格差で損をするリスクを分散できます。全体の値動き、社会情勢を常に長期的な視野を持って観察しておく必要がありますが、リスクを回避するには大切なことです。情勢を見ながら投資時期を検討し、リスクを回避しましょう。

投資時期を分散する投資手法のひとつに、ドルコスト平均法があります。ドルコスト平均法とは、定期的に一定額の投資をすることで、価格差を最小限に抑え、平均的な価格で株や金といった投資商品を購入する方法です。

例えば、A社の株式が4月1日に1,200円、4月3日に1,000円と変動する場合に、200株購入するケースを考えてみましょう。

もし、4月1日に200株を購入すると、購入額は24万円(1,200円×200株)となり、1株あたりの価格は1,200円になります。一方、4月1日に50株、4月3日に150株を購入すると、購入額は21万円(1,200円×50株+1,000円×150株)となり、1株あたりの価格は1,050円(21万円÷200株)となります。

このように、ドルコスト平均法によって、投資商品の価格が高いときには少なく、投資商品の価格が低いときに多く買うことで、投資商品の購入価格を抑えることができます。

分散投資のメリット・デメリット

分散投資にはメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。両方を知ったうえで、無理なく計画的に投資をしましょう。

分散投資のメリット

分散投資のメリットは、投資のリスクが分散でき資産運用の安定化につながることです。例えば1,000万円を1社の企業の株式に投資した場合、投資対象の企業が倒産すれば、1,000万円の損失です。しかし、1,000万円を100万円ずつ、10社の株式に投資すれば、1社が倒産しても損失は100万円、投資金額の10%で済みます。

長期的に安定した資産運用につなげるため、分散投資はできる限り投資のリスクを減らしたい人向けの投資手法といえるでしょう。

分散投資のデメリット

株式、債券など、投資家が購入して保有している資産の額をポジションと呼びますが、分散投資をしすぎると、ポジションを管理する手間が増えるというデメリットがあります。場合によっては、どの資産をどれくらい保有しているのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。

また分散投資は、投資対象が大きく値上がりしたときのリターンも低くなるというデメリットがあります。分散投資は、一つの投資商品にかけられる金額が少なくなるため、一つの投資商品が大幅に値上がりしたとしても、大きな利益を得ることが難しくなります。つまり、分散投資はリスクを分散した分だけ、リターンも小さくなるという点を忘れてはいけません。

分散投資の具体例

「分散投資の重要性は分かったけど、どのように分散すればいいのかが分からない」という人のために、余剰資産1,000万円の分散投資を検討しているAさんのケースを考えてみましょう。

まず、検討したいのは国の分散です。国内と海外で、500万ずつ投資をします。さらに国内では、日本株と国債を250万ずつ、海外では外国株と外国債券に250万円ずつ投資をすることで、リスクを分散することができます。さらに日本株では、1社の企業に絞るのではなく、複数の分野の違う企業に投資すると、リスク回避につながります。

このように、分散投資をすることで、リスクを抑えることができます。投資している商品の1つが値下がりしても、値動きが異なる他の投資商品が値上がりすれば、損失をカバーできる場合もあるでしょう。 

まとめ

分散投資によって、リスクを抑えて投資することができます。同じ商品だけに投資するのではなく、投資時期を分散する、投資対象の国を分散するといったさまざまな組み合わせの分散投資をすることが大切です。これから投資を始めるという方は、投資方法のひとつとして分散投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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