2030年問題とは? 懸念される問題と個人でできる対策

「高齢化社会」や「労働力不足」という言葉を耳にするようになった昨今、これらを含めた「2030年問題」と呼ばれる課題があります。2030年にどのようなことが懸念されているのでしょうか。今回は、2030年問題の概要や個人でできる対策などについて解説します。

2030年問題とは

2019年現在、日本においては少子高齢化や年金問題などさまざまな問題が話題になっていますが、2030年にはそうした問題がさらに深刻化することが予想されています。2030年問題とは、そうした2030年に生じうる社会的問題を総称した言葉です。

具体的には、2030年に以下のような問題が起こることが想定されています。

  • 日本人口の1/3が高齢者になる
  • 労働力人口が減少する
  • GDPが低下する
  • 過疎地域が増加する

では、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

日本人口の1/3が高齢者になる

2030年問題の一つ目として、2030年には日本人口の1/3が高齢者になることが予想されています。

この高齢化については、WHO(世界保健機関)によると、以下のように定義されています。

  • 高齢化社会:高齢化率(総人口における65歳以上人口)7%~14%
  • 高齢社会:高齢化率(総人口における65歳以上人口)14%~21%
  • 超高齢化社会:高齢化率(総人口における65歳以上人口)21%以上

内閣府の「平成25年版高齢社会白書」によると、日本では1970年に高齢化率が7%、1994年に14%を超えました。

また、内閣府の「平成30年版高齢社会白書」によると、2016年時点の日本の総人口が約1億2,700万人であるのに対し、65歳以上の高齢者は約3,500万人で、高齢化率は日本の総人口に対して約27%となっています。 

これが、2030年になると日本の総人口が約1億1,900万人まで減少することが予想されており、一方で65歳以上の高齢者人口は約3,700万人に増え、高齢化率は日本の総人口に対して約31%になると推定されているのです。

労働力人口が減少する

高齢化や少子化が進むと、労働力人口の減少につながります。総務省の「平成30年版 情報通信白書」によると、生産年齢人口(15歳から64歳の人口)は、2015年の約7,700万人から2030年には約6,800万人に減少することが見込まれています。

GDPが低下する

労働力人口が減少すると、経済活動が鈍ることにもなり、GDP(国内総生産)の低下につながります。

GDPとは「一定期間内に国内における生産活動によって生み出された付加価値の合計」のことです。労働力人口が減少することで、必然的にGDPは低下してしまうことになります。

さらに、GDPが低下することで、国の税収も悪化し、国の財政に影響します。一方で日本人口の1/3が高齢者になることで必要な社会保障費は増大することが予測されます。

また、生産年齢人口に該当する層は、労働力であると同時に消費の中心的な担い手でもあります。そのため、労働力人口が減少することが消費の先細りにつながる可能性があり、経済成長の鈍化に拍車がかかることが想定されます。

過疎地域が増加する

地方から都市部への若者の流出が問題視されていますが、今後も同じ状況が続けば、地方では高齢者が大部分を占めるエリアが増えていく可能性があります。

高齢者が大部分を占めると、その地域を抱える県や市の税収は減少し、結果として道路や森林などの整備が追い付かなくなり、地域が荒廃していくことが想定されます。

そのため、ますます若者が地方に定着しにくくなり、現時点でも問題視されている地方と都市部との経済格差がさらに拡大することが懸念されます。

すでに起こっている問題、今後見込まれる問題

それでは、2019年時点ですでに起こっている問題と、2030年までの間に見込まれる問題について考えてみましょう。

現在起こっている問題

2019年時点で、すでに少子高齢化と人口減少の問題は深刻化しており、医療・介護や観光、IT業界など専門職の分野で労働力不足が顕在化してきています。

例えば、観光業界については外国人観光客が増加し、市場が拡大しているのにもかかわらず人手不足が叫ばれています。また、IT業界においても需要(市場)が拡大していますが、専門知識が必要とされる業界であることから、人材の供給が追い付いていない現状があります。

このように、2019年時点ですでに人材不足が顕在化し始めてきていますが、2030年にはさらにその問題は深刻化することが予想されます。

2030年までに起こる問題

2030年までに起こる問題としては以下のようなものが想定されます。

年金問題

日本の年金は賦課方式、つまり労働者が働くことで年金受給者を支えている状況です。今後、労働力人口の減少と高齢化率の増加が続くと、給付年齢が上がったり、現役世代の納める負担が増えたりすることが想定されます。

また、最悪のケースとしては今の年金システムを維持することができなくなり、年金システムそのものが崩壊してしまうということも考えられます。

医療従事者の不足

労働力人口不足が深刻化するなかで、医療従事者が減少する可能性は高いでしょう。一方で高齢化率の増加により医療を必要とする人は増えるため、どの地域においても同等な医療を受けられないといった、医療問題が発生する可能性があります。

介護問題

高齢化率が上がっていくなかで、介護サービスを求める人口は増えていく一方、労働力人口の減少によりサービスの担い手が不足し、介護サービスを必要とする人にそのサービスを届けられなくなる可能性があります。

2030年問題に向けて個人でできる対策

こうした問題があることを前提として、2030年に向けて個人でできる対策には、どのようなものがあるのでしょうか。

できるだけ長く働き続ける

今後年金の給付額が減少したり、年金システムが崩壊したりしてしまうことを想定し、60歳や65歳で定年退職するのではなく、個人的には70歳や75歳になっても働くことができるようにしましょう。そのためには、健康に気を付けるとともに、働き続けることができるようスキルを磨いていく必要があります。

投資を行う

将来年金を受け取れなくなることの対策として、働くだけではなく投資に取り組むという方法が挙げられます。初心者に向いている投資はいくつかありますが、年金対策として注目される投資の1つが不動産投資です。

若いうちにローンを組んで物件を取得し、不動産の家賃収入や自分の給料からローンを返済すれば、老後を迎えるころにはローンの完済を目指すことができます。ローン完済後に家賃収入を受け取ることができれば、私的年金代わりにすることができます。

もちろん、他の金融商品と同様にリスクがある点は考慮する必要がありますが、選択肢のひとつとして検討してみる価値はあるでしょう。

まとめ

2030年問題のほとんどは2019年現在でもすでに顕在化している問題だと言えます。2030年問題について理解し、現時点から、個人でできる対策は何なのか考えるとともに、有効と思われる対策については実際に取り組んでいくようにしましょう。

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