学資保険とジュニアNISA 我が家の教育資金をつくるのに有利なのは?

教育資金の準備の手段のひとつに「学資保険」があります。また、最近では「ジュニアNISA」という言葉を耳にすることもあるのではないでしょうか。今回は、学資保険とジュニアNISA の違いやメリット・デメリット、賢い活用法を紹介します。

学資保険とジュニアNISA の違い

教育資金を用意する方法のひとつとして、一般的に利用されているのが「学資保険」ですが、最近では2016年にスタートした「ジュニアNISA」が注目されるようになってきました。学資保険とジュニアNISA、それぞれについて見てみましょう。

学資保険

名称から分かるとおり、学資保険とは子どもの教育資金づくりを主目的とした保険です。

月払いや年払いなどで保険料を支払っていくことで、加入時に設定しておいた17歳や18歳などの満期時に満期金を受け取ることができます。保険期間中に契約者(通常は親)に万一のことがあった場合はそれ以降の保険料の支払いは免除され、保険料を支払った場合と同じだけの満期金を受け取ることができるのも大きな特徴です。

満期金だけでなく、中学校や高校への入学時に祝い金を受け取ることができるもの、被保険者である子どもの医療保障が付いたもの、契約者の死亡保障が付いたものなど、いろいろな商品があります。医療保障や死亡保障など「保障」が手厚くなると、当然その分保険料が高くなります。

なお貯蓄型の保険であるため、ほとんどの場合、満期金や祝い金など「給付金の総額」は、払い込んだ「保険料の総額」より多くなります。「給付金の総額÷保険料の総額×100」で算出する数値を「返戻率」と呼びますが、返戻率が100%を超えるものが多いため、学資保険を選ぶ人もいます。

ジュニアNISA

2014年に、少額から投資をする20歳以上の人を対象にした税制優遇制度「NISA」がスタートしました。それから2年後の2016年に始まった未成年者対象のNISAが、「ジュニアNISA」です。

ジュニアNISA口座で株式や投資信託などの取引をすると、元金80万円までの配当金や分配金、譲渡益が非課税となります。非課税期間は最長5年で、現時点では2023年までの限定の制度です。

そのほかに、対象は日本に住んでいる0歳から19歳の未成年者、開設できるのは1人1口座のみ、原則18歳になるまで払い出しができないなどの制限があります。また、口座の運用管理者は、親や祖父母など子どもの二親等以内の親族と定められています。

学資保険のメリット・デメリット

学資保険とジュニアNISAの概要が分かったところで、次に学資保険のメリット・デメリットを確認していきましょう。

メリット

学資保険のメリットは以下のとおりです。

  • 貯蓄型の保険のため、満期金や祝い金など、受け取れる給付金の総額が、払い込んだ保険料の総額より多くなるのが、最大のメリットです。ただし、子どもの医療保障など、「保障」の部分が手厚いタイプの学資保険では、受け取れるお金の総額より支払った保険料の総額のほうが高くなることもあります。保障を手厚くした場合を除いては、満期まで持っていると、受け取れるお金の総額が支払った保険料の総額を下回ることは基本的にありません。実質「元本保証」の金融商品といえます。
  • 契約者である親などが死亡した場合には、それ以降の保険料の支払いは免除されます。保険料の支払いをしなくても、契約どおりの満期金を受け取ることができます。
  • 所得税の「一般生命保険料控除」の対象となるため、節税につながります。さらに満期金は一時所得となるため、50万円の特別控除を受けることもできます。

デメリット

一方、学資保険には以下のようなデメリットがあります。

  • 固定金利のため、仮に0歳に加入して18歳に満期を迎えることになった場合、0歳時点での金利が18歳まで適用されます。その間に物価が上昇して大学進学に必要な費用が10%上昇していたとしても、それに応じて受け取れるお金が増えるということはありません。つまり、インフレリスクがあることが大きなデメリットとなります。
  • 通常は、給付金の総額が支払った保険料を下回ることはありませんが、保障を手厚くした場合や途中解約をした場合などは、下回ることがあります。
  • 18歳になるまで換金できないといった制限があります。ただし、だからこそ大学進学時の費用まで手をつけずに教育資金を貯められるというメリットにもつながります。

ジュニアNISA のメリット・デメリット

では、次にジュニアNISAの主なメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

ジュニアNISAには以下のようなメリットがあります。

  • 株式の配当金や売却した場合の譲渡益、投資信託の分配金や譲渡益などには、通常20.315%(所得税および復興特別税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。ジュニアNISA口座で購入した場合、毎年80万の元金分までこの税金が非課税になるのが最大のメリットです。

非課税期間は最長5年とされていますが、非課税期間終了を迎えると、その翌年の非課税枠分にそのまま移行する「ロールオーバー」ができます。ただし、仮に50万円ロールオーバーしたとすると、翌年の新規で利用できる非課税枠は、80万円から50万円を引いた残り30万円分となるので、注意が必要です。

  • 運用がうまくいけば、学資保険や預貯金などよりも資産を大きく増やすことができます。

デメリット

一方、ジュニアNISAには以下のようなデメリットがあります。

  • 投資ですので、元本割れのリスクがあります。
  • 子どもが18歳になるまでは払い出すことができません。やむを得ず途中で引き出す場合には、過去にさかのぼって非課税となっていた税金を納付することになります。ただし、学資保険と同様に、途中で引き出して使わずに済み、大学進学費用などに充てやすいというメリットにもなります。
  • 一度ジュニアNISA口座を開設すると、その後、金融機関の変更はできません。どうしても変更したい場合はいったん口座を廃止することになります。その場合、途中引き出しの場合と同様、過去にさかのぼって非課税となっていた税金を納付する義務が生じます。
  • 2023年に終了します。ただし、子どもが20歳になるまではロールオーバーができます。

学資保険とジュニアNISAの賢い活用法

学資保険とジュニアNISAのそれぞれの特徴は分かりましたが、では、どちらが教育費を貯めるのに適しているのでしょうか。

「大きく増えなくてもいいから損はしたくない」「現在貯蓄がなくて少しでも貯めたい」というなら、学資保険が向いているでしょう。また、貯蓄に回せる元金がそもそも少ない場合も、まずは増やすことを考えるより確実に貯めていくことが重要ですので、学資保険のほうが適しています。

一方、すでに貯蓄がある程度ある、あるいは世帯年収が十分にあってリスクもある程度許容できるなら、ジュニアNISAのほうが有利でしょう。

また、そもそもどちらか一方を選ばなければいけないということはありません。「大きく損をするのはいやだけど、できるだけ増やしたい」といった場合は併用し、学資保険の安全性を享受しつつ、ジュニアNISAで効率のよいリターンを狙っていくといった活用法もあるのです。その場合は、リスクの許容範囲など家計の事情に合わせて、学資保険とジュニアNISAの割合を調整するとよいでしょう。

まとめ

教育資金を準備する手段である「学資保険」と「ジュニアNISA」。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、上手に活用しましょう。

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