『SoftBank World 2019』孫正義氏 基調講演レポート――AIが人類の救世主になる

今回、みんマネ編集部は2019年7月18日(木)・19日(金) にザ・プリンス パークタワー東京で行われた『SoftBank World 2019』に取材に行ってきました! 

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近年、ソフトバンクグループは、AI(人工知能)分野に積極的に投資をしています。

今回の孫正義社長の基調講演で紹介されたホテルチェーン「OYO(オヨ)」もそのひとつです。講演中に登壇をしたCEOのリテシュ・アガルワル氏はなんと25歳! AIを活用したデータ解析で経営判断の効率化を図り、創業わずか6年で客室数ではあのヒルトン・ホテルズを抜いて世界第2位まで成長させました。

孫氏は講演の中で次のように語っています。

「インターネット上に流れているデータの量はこの30年間で約100万倍になった。これからの30年でもう一度、100万倍になる。人類の進化を支えてきたものは『推論』であり、推論能力の向上が人類の更なる進化につながる。人とモノが通信する時代からモノとモノが通信するIoTの時代を迎え、取り扱うデータ量は更に増大し、それらの膨大なデータをAIが活用することで全ての産業に変革をもたらす」

「OYO」の例はまさに孫氏の言葉を裏付ける形になっているのではないでしょうか。


更に孫氏はテーマを大きく人類の進化にまで広げ「人類の進化は『AIの推論』によって更に加速する」としていました。その中で、日本でいまだに残るという一部の評論家や学者の「AIになにができる」「AIに頼っちゃいけない」とする見方を一蹴。「インターネットに例えると、25年前のヤフーが生まれたばかりの時期」だと孫氏は言います。

たった25年――。今やPCやスマホを含め、インターネットに触れない日が皆さんには1日でもあるでしょうか。それを考えると孫氏と一部の評論家や学者の見解について、どちらの信憑性が高いとするのか自ずと答えが見えてくるような気がします。

ai5giot.JPG@AI 5G IoT これらのテクノロジーが人類進化の鍵となるのでしょうか。



孫氏は続けて「ソフトバンクはこれまでPCからモバイル、そしてAIへと展開してきており、今後も情報革命をリードしていく方針である」と強調。

「日本はいつの間にかAI後進国になってしまった。インターネット黎明期と同様、まだ遅くはないが、AIに対して早く目を覚ました方がいい」とAIをビジネスに活用できていない日本企業や、投資に値すると考えるユニコーン企業が少ない日本の現状へ警鐘を鳴らしていました。


pepper.JPG@こちらはペッパーくん。「お笑い番組は好きですか?」
AIの発達によって、ペッパーくんと一緒に笑える日も近いかもしれません。



また、孫氏は「日本を愛しているからこそ、早く目覚めて欲しい」とも語っていました。
「まだ手遅れではない」とする孫氏の言葉を信じたいところです。

これらを踏まえ、以下では日本でもAI活用の拡大に一役買いそうな金融サービスをご紹介します。


リーマンショック以降発展を続ける
『Fintech』(フィンテック)

みんマネを読んでいただいている皆さんならご存知の方も多いでしょう。

今回のイベントでも話題の中心になっていた『AI』を金融に用いたサービスのことで、近頃日本でも普及してきたPayPayなどのモバイル決済もそのひとつです。

諸外国に比べると日本は偽札が少なく、紙幣に対する信用が高いことが逆にキャッシュレス化を遅らせてしまっている一因とも言われているようですが、おとなり中国では日本よりモバイル決済が浸透しています。日本人でも耳にしたことがある人が多いでしょう、Alipay(アリペイ)とWeChatPay(ウィーチャットペイ)が二大サービス提供者で、アリペイにいたっては世界中に約9億人のユーザーがいるとされる世界最大のモバイル決済サービスです。

中国ではこのアリペイを使ってQRコード決済だけでなく年金の加入から病院の予約まで行なえるなど、ひとつのアプリで生活に密着した様々なサービスが受けられます。中でも特徴的なのが日本ではまだあまり馴染みのない「信用証明」サービスです。これは個人の信用力を950点から350点の間で数値化するもので、このスコアリングサービスで一定の点数を超えるとレンタカーを含む様々なレンタル品の保証金が無料になるなどのメリットがあります。

これらのような使い方が中国ではすでにかなり浸透していると言います。孫氏が警鐘を鳴らす日本と比較して中国は一足先に、より多くの場面でAIを活用していると言えるでしょう。

アリペイを提供するアリババ傘下の金融サービス会社であるAnt Financial(アント・フィナンシャル)は、これまでの伝統的な金融機関では当然に備えていた実物支店を持たずとも、スマホひとつで多くのサービスを行なうことを可能にしてしまいました。フィンテック企業から押し寄せるこれらAI活用の波は、従来の金融サービスのあり方までも大きく変えようとしています。

膨大なデータを分析・活用することに長けたAIは金融サービスにおいて相性が良く、他の例としては、『ロボアドバイザー』もフィンテックのひとつにあたります。こちらは米国などで盛んなようです。


超一流コンサルタントに代わる
『ロボアドバイザー』

日本においてはまだスタートして数年といったところですが、米国ではすでに一般個人投資家の資産運用の手段として定着しており、その規模は日本円で10兆円とも言われています。

日本での代表的なロボアドバイザーのサービスについては、手数料などが各サービス提供会社によって異なりますが、内容としてはアドバイス型と運用一任型の二種類に大きく分けることができます。(※サービスの名称なども各社によって異なります)

アドバイス型とは、その名の通りロボアドバイザー(AI)に個人にあった資産運用プランのアドバイスを貰うのみで、実際の資産運用自体は手動で行ないます。こちらは手数料などもかからず無料で提供されているところが多いようです。

一方、運用一任型は各社から有料で提供されていますが、実際の資産運用(投資)までをロボアドバイザー(AI)が行なってくれるので、投資の知識がない人にもハードルが低く、投資を始めるきかっけとしての役割も果たしてくれるでしょう。

「もっと勉強をしてから」と二の足を踏むタイプだった人も、ロボアドバイザーであれば、「とりあえず始めてみよう」と考えるかも知れません。

ロボアドバイザーをきっかけとして、ポートフォリオ(※運用資産の組み合わせや割合)の考え方や作成に慣れてきた頃に、自分でも投資を始めてみるというのもひとつの手でしょう。

もちろんロボアドバイザーであっても損失が出ることはありますし、「投資は自己責任」という大前提は揺らぎませんが、対人間である金融機関のアドバイスより素直に聞けそうだと思えるのは私だけでしょうか。

長らく貯蓄が尊ばれてきた日本でも、もはや投資をしないことが損とも言える時代が来ています。世界人口の1%にあたる富裕層が、富の多くを独占していると言われる現在ですが、AIの技術が更に向上すればそういった不平等を解消し、世界中の人が豊かに暮らせる時代が来るかも知れません。

蛇足になりますが、最新作の仮面ライダーの設定も「AI」がテーマになっているとか。まさに、AIが世界を救ってくれる時代がすぐそこまで来ているに違いありません。


「SoftBank World ONLINE」:https://sbw.tm.softbank.jp/online/
孫氏の基調講演などが閲覧可能です。 (視聴登録は2019年9月末まで)

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