特定優良賃貸住宅とは? メリット・デメリットや入居資格について解説

マンションやアパートの情報を見ると「特定優良賃貸住宅(特優賃)」の文字を目にすることがあります。この特定優良賃貸住宅とは、どのようなものでしょうか。今回は、特定優良賃貸住宅の概要やメリット・デメリット、入居条件について解説します。

特定優良賃貸住宅とは

特定優良賃貸住宅とは、良質な住宅を少ない負担で借りることができる、ファミリー層向けの公的賃貸住宅制度です。つまり、「家賃補助がある公的な優良賃貸住宅」のことを指します。この住宅は、「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づき、入居条件などが決まっています。

この法律は「中堅所得者向けの良質な賃貸住宅を拡大することにより、国民生活の安定と福祉の増進に寄与すること」を目的に作られおり、一定の入居条件を満たしている人は特定自治体からの補助を受け、少ない負担で住宅を借りることができるのです。このように入居条件などが定められているため、通常の賃貸住宅とは違い、すべての人が特定優良賃貸住宅に入居できるわけではありません。

特定優良賃貸住宅のメリット・デメリット

特定優良賃貸住宅には、さまざまなメリットやデメリットがありますので、確認しましょう。

特定優良賃貸住宅のメリット

特定優良賃貸住宅のメリットは以下の点です。

家賃補助がある

特定優良賃貸住宅は、入居する世帯に応じて家賃の一部を自治体が補助してくれます。よって、金銭的な負担が軽くなるという点が、特定優良賃貸住宅の最も大きなメリットといえるでしょう。

礼金や仲介手数料が発生しない

通常の賃貸住宅であれば以下のように礼金や仲介手数料といった初期費用がかかります。

  • 礼金:入居時にオーナーへお礼として支払うお金
  • 仲介手数料:仲介した不動産会社に支払う費用

特定優良賃貸住宅ではこれらの費用はかかりません。

通常の賃貸住宅でも、礼金や仲介手数料の金額は一律に決まっている額ではなく、無料の場合もありますが、実際は「礼金:家賃1ヵ月分、仲介手数料:家賃1ヵ月分」というように、入居時に礼金や仲介手数料が発生するケースが多くあります。特定優良賃貸住宅の場合、このような初期費用が発生しないという点も大きなメリットです。

なお、敷金については、契約時に支払う必要がある場合が多いため、注意が必要です。

更新料が不要

一般的に賃貸住宅は2年に1回のタイミングで更新料が発生します。通常、更新料は「新賃料の1ヵ月分」などの場合が多いですが、特定優良賃貸住宅ではこの更新料も不要です。

住みやすいつくり

特定優良賃貸住宅は、公的な建築条件をクリアしている物件であり、以下のような住みやすいつくりになっています。

  • 間取りは2LDK〜3LDKが中心
  • 収納スペースが豊富
  • 専有面積は原則として65㎡以上
  • 天井高2.3m以上
  • 耐火または準耐火構造

「自治体の補助を受けている住宅だから、住宅としてのグレードが低いのでは」と思っている人もいるかもしれません。しかし、上記のように住宅として快適に住みやすい規格となっている点も、特定優良賃貸住宅のメリットといえます。

ただし、自治体によって専有面積、間取りなどの設定が異なるという点は、覚えておきましょう。

特定優良賃貸住宅のデメリット

一方、特定優良賃貸住宅には以下のようなデメリットもあります。

入居条件が厳しい

特定優良賃貸住宅は、入居条件が設定されています。いろいろな条件がありますが、特に世帯年収の上限が厳しく定められています。

特定優良賃貸住宅の入居条件は、自治体や世帯人数によっても異なります。年収に応じて家賃補助の金額も変わってくるため、「自分なら入居可能か」「家賃補助はどのくらいか」といったことについては、入居希望の特定優良賃貸住宅の条件をよく確認する必要があります。

原則ファミリー世帯のみ

また、特定優良賃貸住宅は原則ファミリー向けの住宅になります。そのため、大半の物件では入居者が2人以上の夫婦(婚約者も含む)か親子などのファミリー世帯しか入居を認められていません。

そのため、以下のような場合には特定優良賃貸住宅への入居は基本的にできないことになっています。

  • 単身者
  • 友人同士のルームシェア
  • 結婚を前提としない同棲カップル

補助金の支給額に制限がある

特定優良賃貸住宅は家賃補助が受けられますが、この家賃補助は同じ金額を補助し続けてくれるのではなく、年々一定率減額されるという仕組みです。

さらに、補助金が支給されるのは、最長で20年間です。期限が終了したら、一般的な賃貸物件と同じ家賃設定になります。

もちろん、本来は補助がない賃貸住宅に家賃補助がある点はメリットといえますが、将来的な家賃負担額も計算して、長期スパンで考えて無理のない負担額かどうかを検証する必要があります。

抽選になることが多い

一般的な賃貸住宅は、当然ながら自治体の家賃負担はありません。そのため、特定優良賃貸住宅のニーズは高いうえに、物件数が多いわけではないので抽選になる確率が高いのです。

仮に、特定優良賃貸住宅に応募して抽選に外れてしまうと、また一から賃貸物件を探すことになります。そのため、特定優良賃貸住宅とは別に、候補となる賃貸物件を並行して探しておく必要はあるでしょう。

特定優良賃貸住宅の入居条件

特定優良賃貸住宅は厳しい入居条件が定められていますが、入居条件の詳細は以下のとおりです。

「日本国籍を有する人」または「住民基本台帳法の対象になる外国人」

原則として、特定優良賃貸住宅への入居が認められるのは「日本国籍を有する人」または「住民基本台帳法の対象になる外国人」です。「住民基本台帳法の対象になる外国人」とは、「在留カード」もしくは「特別永住者証明書」を交付されている外国人のことです。

2人以上で入居する

原則はファミリー層向けの住宅という目的があるため、2人以上の夫婦または親子を主体とした家族で入居する必要があります。

婚約者と申し込む場合は契約日から3ヵ月以内に入籍する

未婚のカップルの入居は認められませんが、契約日から3ヵ月以内に入籍するのであれば入居資格があります。ただし、「契約日から○ヵ月以内」という期間は自治体によって異なり、もし、婚約者と申込みをしておいて、入居前あるいは入居後に婚約解消となった場合、婚約者がかわった場合は契約解除となる自治体もあります。また、結婚した証明として婚姻届受領書や戸籍謄本などの提出義務がある点は認識しておきましょう。

収入基準に適合する

入居可能な収入基準が、明確に決まっています。ただし、こちらも自治体ごとに基準が異なるので、自治体に確認しましょう。

家賃などの支払い能力がある

家賃補助があるとはいえ、入居者も一定額の家賃を負担する必要はあります。そのため、家賃の支払い能力がない場合には、入居が認められません。

同じ地区内で特定優良賃貸住宅に入居していない

同じ地区内で、特定優良賃貸住宅から他の特定優良賃貸住宅へ住み替えることは原則できません。

まとめ

特定優良賃貸住宅は、家賃補助などのメリットがありますが、入居条件が厳しいといったデメリットもあります。メリット・デメリットを理解したうえで、初期費用を抑えて住宅を探す場合には、特定優良賃貸住宅への入居を検討してみてはいかがでしょうか。

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