投資初心者が確認しておきたいFXのメリット・デメリットや注意点

テレビやWebなどでFX (外国為替証拠金取引)という言葉を目にすることがあります。FXについて、「外国の通貨に関連するものである」といった認識はもっていても、詳細について知っているという方は意外と少ないのではないでしょうか。今回は、FXの基本的な内容やメリット・デメリット、初心者が始める際の注意点について解説します。

FXとは

これからFXへの投資を検討されている方向けに、まずはFXとはどんなものなのかを見ていきましょう。

外国通貨を売買して利益を得る

FXを分かりやすく表現すると「ドルなどの外国通貨を安いときに買い取って、高くなったら売る」もしくは「ドルなどの外国通貨を高いときに売って、安くなってから買い戻す」ことで利益を得る投資です。

FXは、このように通貨の価格差によって利益を得ることになります。

スワップポイントで利益を得られる場合がある

また、FXには売買差益で利益を得る方法以外に、「通貨間の金利差調整額」を利用したスワップポイントで利益を得ることもできます。

FXにおいては、外国通貨を購入してから売却するまでの期間中、その保有した日数に応じて通貨間の金利差を受け取る、もしくは支払うことになります。これにより、低金利の通貨を売却し高金利の通貨を購入した際には通貨の売買差益だけでなく、金利差分の金額を受け取れるのです。またこの場合、スワップポイントは1日ごとに精算されるため、通貨を保有しているだけで毎日利益を得られるようになります。

上記の例とは逆に高金利の通貨を売却し、低金利の通貨を購入した場合にはスワップポイントの支払いが発生してしまう点には注意が必要です。

手数料は無料だがスプレッドが発生する

FXの取引は、基本的に売買時の手数料を支払う必要はありません。

しかし、「売値と買値の差」であるスプレッドを支払う必要があります。ここでいう売値と買値とは、売値=その通貨を売ったときの額、買値=その通貨を買ったときの額ではなく、「売値=現在の通貨の価格」「買値=実際に取引するときに支払う価格」のことです。

ニュースなどで「現在の外国為替市場は1ドル100円70銭から100円73銭の間で取引されています」というときは、売値が100円70銭、買値が100円73銭になります。

スプレッドは取引するFX会社や状況によって異なりますが、例えば、売値が100円00銭、買値が100円3銭の場合、スプレッドは3銭(3円の100分の1)となります。もし、FXの取引単位が1,000通貨単位の場合、1回の取引で3銭×1,000通貨=30円のスプレッドが発生することになります。

スプレッドは毎回発生するものですので、実質的な取引手数料であるといえるでしょう。

FXのメリット・デメリット

FXの概要について分かったところで、FXにはどのようなメリット・デメリットがあるのか見てみましょう。

FXのメリット

FXには、以下のようなメリットがあります。

レバレッジを利用して少額でも取引できる

FXでは、FX会社に証拠金を預け、その証拠金を元に取引を行っていきますが、預けた証拠金より大きな額の取引をすることも可能です。これを「レバレッジ」と呼びます。国内FX会社であれば最大で25倍ものレバレッジをかけることができ、少ない資金からでも高額の取引が可能です。

FXの取引単位は、利用するFX会社により異なります。また、最低通貨単位もFX会社によって異なり、多くは1,000通貨単位です。例えば、1ドル=120円の時に円でドルを買うとすれば、120円×1,000通貨単位=12万円が取引単位となります。ここで、25倍のレバレッジをかけるとすると、12万円÷25倍=4,800円から購入できるというわけです。このように、5,000円程度からと少ない資金でもレバレッジを効かせることで大きな投資を始めることができることが、FXの大きな魅力です。

FX会社の多くは1,000通貨単位ですが、取引単位が100通貨単位や1万通貨単位の会社もありますので、FX会社を選ぶ際に確認しておきましょう。

ただし、あまりに高倍率の取引をしてしまうと、プラスになったときの利益は大きくなりますが、マイナスになったときに損失額が大きくなる可能性もあるので注意が必要です。

また、海外のFX会社には、レバレッジ倍率を100~3,000倍程度まで設定できる会社もありますが、リスクを考慮すると高い倍率のレバレッジ取引は避けたほうがよいでしょう。

24時間取引ができる

株式投資や投資信託といった投資の場合は、平日9時~15時での取引が基本となりますが、FXは世界中の金融機関がオンラインでつながっているため、基本的には土日を除き24時間取引可能となっています。

「平日の日中は勤務があるため、パソコンやスマートフォンの画面を見られない」という人でも、取引しやすいといえます。

短期投資も中長期投資も可能

FXは通貨の売買差益を狙った短期投資だけでなく、保有期間中に得られるスワップポイントを狙った中長期投資も可能です。

ペイオフ対象外だが信託保全が適用される

銀行などの金融機関が破産したときに、そこに預けて入れしていたお金について、最大1,000万円までの資産とその利息までが保護されるペイオフという制度がありますが、FXはペイオフの対象外です。

ペイオフの対象外ということは、金融機関が倒産したときに、最悪の場合1円も返ってこないリスクがあるということになりますが、FXの場合は信託保全という制度により全額保護されます。

信託保全とはFX会社が顧客から預かった証拠金を信託銀行に信託するというもので、この制度により、仮にFX会社が倒産したとしても、投資家は信託銀行の信託財産から証拠金の返還を受けることができます。

FXのデメリット

一方、FXには以下のようなデメリットがあります。

為替変動リスクがある

FXには為替変動リスクがあります。

FXは、外貨の買いから入って価格が上がったときに売却して利益を得ることも、反対に売りから入って価格が下がったときに買い戻すことで利益を得ることもできますが、いずれの場合においても、想定した方向に為替が動かないことがあります。

場合によっては、大きくマイナス方向に変動してしまうこともある点に注意が必要です。

レバレッジリスクがある

国内FX会社であれば、最大で25倍までレバレッジをかけることができます。

これは、少ない資金であっても高額の取引ができるというメリットにもなりますが、マイナス方向に動いたときに取り返しのつかないことになるリスクにもつながることは認識しておかなければなりません。

金利変動リスクがある

FXは通貨間の金利差によりスワップポイントを受け取ることができますが、金利は日々変動します。

購入した通貨の金利が下がれば、受け取れるスワップポイントが減るだけでなく、場合によってはマイナスに転落し、逆に支払わなくてはならなくなることもあります。

初心者がFXを始める際の注意点

最後に、初心者の方がFXを始める際の注意点を見ていきましょう。

スプレッドに注意

FXのスプレッドは実質的な取引手数料ですが、一定ではなく、状況に応じて大きくなったり小さくなったりします。

特にスプレッドの開きが大きいときは、売買差益が大幅に減少してしまうこともありますので、注意が必要です。

ビギナーズラックに注意

FXに限らず、投資全般にいえることですが「理由が分からないのに勝った」というビギナーズラックには注意が必要です。

多少の勝ちで気持ちが大きくなり、理由が分からないまま大きくかけてしまうことで、最初の勝ちで得られた利益が大幅に減少してしまうことはよくあることです。

ビギナーズラックで儲けたからと次も同じように勝てると信じ込んでしまわないように注意し、次の投資は別モノだと肝に銘じ、冷静に投資を続けることが大切です。

塩漬けに注意

これもFXに限らず投資全般にいえることですが、投資をしてから投資対象の通貨や銘柄がマイナスに動き、損失が生じてしまった場合、損失を確定することは難しいでしょう。

「しばらく放置すればまた上がるだろう」と思ってそのままにしていると、損失が大きく拡大してしまうことがあります。こうなると、さらに損失を確定しづらくなり、通貨や銘柄を売るに売れない「塩漬け」状態となります。

もちろん、最終的にプラスとなれば問題はないのですが、投資初心者の方が適切にその判断をすることは難しいでしょう。そのため、特に投資初心者の方は「最初の価格から3%下がったら損切する」などの自己ルールを設けて投資することが大切です。

まとめ

資産形成のひとつであるFXは、高倍率のレバレッジを利用できるため、少額からでも気軽に始めることができます。しかし、高倍率のレバレッジはその分リスクが高くなるなど、その仕組みや注意点を理解しておくことも大切なことです。それらを踏まえ、FXを検討してみてはいかがでしょうか。

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