ETF(上場投資信託)とは? 株式・投資信託との違いと仕組みについて解説

ETF(上場投資信託)は、株式と投資信託の特徴を合わせ持つ金融商品です。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指数に連動するように運用されている投資信託ですが、株式と同じように市場で売買できます。

この記事では、ETFの特徴と株式・投資信託との違いについて解説します。 

 ETF(上場投資信託)株式投資信託
上場・非上場 上場 上場 非上場
買付時間帯 取引所の取引時間 取引所の取引時間 申込期間中の9時~15時
取得価格 市場価格 市場価格 1日1回算出される基準価額

ETFは“Exchange Traded Funds”の略で、「上場投資信託」と呼ばれています。日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)など特定の株価指数に連動する運用成果を目指し、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託です。

連動する指数は株式だけでなく、債券・通貨・REIT(不動産投資信託)・商品(コモディティ)もあります。投資先も国内だけでなく、海外に広がり、2019年時点では235銘柄が上場しています。 

ETFは投資信託の特徴に加え、金融商品取引所に上場しているので、株式と同じようにリアルタイムで取引できます。

株式投資は個別企業を選んで投資するので、投資成果は選んだ企業の業績に大きく左右されます。企業の業績が悪化すれば、大きな損失が出る恐れもあるのです。一方、ETFは指数を対象にしているので、多くの銘柄に分散投資しています。

たとえば、日経平均株価に連動するETFなら、指数に採用されている225銘柄をパッケージで購入していることになり、幅広い銘柄に分散投資しているので、リスクを抑えられます

ETFの仕組みとメリット・デメリット

ETFは取引所で売買できる「流通市場」と、機関投資家など大口投資家だけが扱える「発行市場」があります。

流通市場は一般の株式と同じです。投資家は証券会社に注文を出し、証券会社は注文を取引所に取り次ぎます。一方、発行市場は、機関投資家など大口投資家の申込みがあったとき、証券会社が株式または現金を運用会社に拠出し、運用会社がETFを発行する市場です。 

ETFのメリット

保有コストが安い

ETFには、売買コストと保有コストの2種類のコストがかかります。売買コストは、ETF購入時や売却時にかかる売買手数料です。ETFは市場を通じて売買するため、通常の株式と同一の手数料が設定されているのが通常です。ネット証券を利用すれば、売買委託手数料の負担も軽くできます。

保有コストは、主にETFの保有期間中にかかる運用管理費用である「信託報酬」です。通常の投資信託では、販売会社(証券会社など)・運用会社(投資信託会社)・管理会社(信託銀行)の3社に信託報酬を支払う必要がありますが、ETFは販売会社に支払う必要がないので、信託報酬を安くできるのです。 

値動きがわかりやすく、いつでも売買できる

ETFは指数に連動するように運用されているので、値動きがわかりやすいというメリットがあります。たとえば、日経平均株価などの指数はニュースなどで目にする機会も多いでしょう。

また、取引所の取引時間中であれば、いつでも売買できます。普通の投資信託は、1日1回その日の終値で基準価額が算出され、その基準価額でしか売買できません。一方、ETFは株式と同じように成行注文や指値注文を使いながら、リアルタイムで取引できます。

しかしETFの中には、売買が少なく、流動性が低い銘柄もあります。そこで、2018年7月から「マーケットメイク制度」が導入されました。

マーケットメイク制度とは、マーケットメイカーと呼ばれる専門業者が、ETFの買い注文と売り注文を出し続けることです。マーケットメイクにより、買いたい時に買えない、売りたい時に売れないという流動性リスクを軽減できるようになりました

ETFのデメリット

元本保証でない

ETFは元本が保証されている金融商品ではないので、損失が出る可能性もあります。ETFの運用期間は無期限ですが、純資産などが減少すると繰上償還になり、上場廃止となります。上場廃止が決まると、ETFは整理銘柄に指定され、一定期間後に上場廃止となるのです。

純資産や出来高が減っているETFは、上場廃止の恐れもある点に注意しましょう。

自動積立ができない

投資信託は、毎月1万円など一定額を自動積立でき、100円など少額で積立可能なネット証券もあります。しかし、ETFは自動積立投資に対応している証券会社はあまり多くありません

自動積立ができない場合は毎回、自分で買いつける必要があるので少し手間がかかります。

自動積立ができるかどうかはご利用の証券会社にご確認ください。

こんな人にETFがおすすめ

投資初心者

ETFは投資初心者でも始めやすい金融商品です。個別株に比べて銘柄選定の手間がかかりませんし、分散投資しているのでリスクも軽減できるからです。

また、市場で売買されているので、「値動きがわかりやすい」というメリットもあります。国内の株だけでなく、海外の株式や債券にも投資できるので、国際分散投資も可能です。 

長期投資家

ETFは保有コストが安いので、長期投資に向いています。国内外の幅広い銘柄の商品がそろっているので、国際分散投資が低コストでできます。

逆に、短期で頻繁に売買すると手数料がかかってしまうので注意が必要です。 

つみたてNISAを利用する人

「つみたてNISA」とは、少額投資非課税制度のことで、投資によって得られた売却益や分配金などの運用益が非課税になります。通常、投資で得られた利益に対して20.315%の税金(所得税+復興特別所得税+住民税)がかかりますが、これがゼロになるのです。

年間投資上限枠は40万円、投資期間は最長20年なので、最大800万円までの非課税枠があります。 

非課税枠が使えるというメリットがあるので、つみたてNISAでETFを購入することもおすすめです。

レバレッジ型ETFに注意

通常のETFは長期で保有する金融商品ですが、短期間で高いリターンが得られる「レバレッジ型ETF」の人気が高まっています。

レバレッジ型ETFとは、日経平均株価やTOPIXなど指数の2倍の値動きをするよう設計されたETFです。たとえば、日経平均株価の1日の変動率が3%だった場合、レバレッジ型ETFの変動率は6%になります。

通常のETFの2倍の値動きをするので、短期間で利益を得たい場合に向いているETFです。しかし、初心者が短期的な値動きを当て続けるのは困難です。損失も大きくなるので、取引は控えるようにしましょう。

投資信託は、証券会社や銀行・信用金庫など様々な金融機関で購入できますが、金融機関によって取扱銘柄が異なります。

一方、ETFは証券会社でしか売買できませんが、どの証券会社でもすべての銘柄が購入可能です。

証券会社には、野村證券や大和証券などの対面型もありますが、ネット証券で口座を開設することをおすすめします。ネット証券は対面型の証券会社に比べて売買手数料が安いからです。

SBI証券や楽天証券・松井証券などでは、株式の1日の合計売買代金が10万円以下なら手数料がかかりません。ETFは10万円以下で買える銘柄が多くあるので、売買手数料なしで購入できるのです。 

また、楽天証券ではETFに力をいれていて、「ゼロ円ETF」という独自のサービスを提供しています。

ゼロ円ETFとは、対象ETFの売買手数料が無料になるサービスです。 

日本株式だけでなく、米国や新興国など世界中の株式や債券を投資対象とするETFなど、豊富な商品ラインナップとなっています。

今回は、ETFの仕組みや株式・投資信託との違いについて解説しました。ETFは日経平均株価などの指数に連動することを目指す投資信託ですが、証券取引所に上場しているので株式と同じように売買できます。

証券口座を開けばいつでも売買可能なので、まずは手数料の安いネット証券で口座開設してみてはいかがでしょうか

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